New York の破産裁判所は4月23日、LyondellBasellの再建案を承認した。
同社は4月30日に民事再生法(Chapter 11)から離脱する。
同社はBasellによるLyondell買収で多額の債務を負ったが、資金繰りに行き詰まり、まず米国子会社が2009年1月6日に、次いで4月24日には親会社も民事再生法(Chapter 11)を申請した。
2009/4/27 LyondellBasell、親会社も米国の民事再生法対象に追加
同社は債権者団体と再建案を交渉するとともに、インドのRelianceからの買収提案を受け、並行して交渉を進めた。
Leon Blackが経営する投資会社Apollo Management、Ares Management 及びBasellの創始者Len BlavatnikのAccess Industrieなどが
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2010/3/11 LyondellBasell、Reliance の買収提案を拒否
この再建案を破産裁判所が承認したもの。
裁判所は合わせて、危険廃棄物の処理費用(55億ドル)に関するEPAとの争いの解決案も承認した。この解決が出来なければ、同社は清算せざるを得ない状況にあった。
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(以下は速報。詳細が入れば追加・修正する)
新しくオランダに持株会社LyondellBasell Industries N.V.を設立する。
この会社の株式はNew York株式市場に第3四半期に上場される予定。
再建案によれば、同社は新たに32.5億ドルの有担保債を発行し、また5億ドルの借入、28億ドルの増資を行い、既存の借入金の返済に充てる。有担保優先債権者は約180億ドルの債権を株式に転換する。
その他の債権者は以下の扱いとなる。
Chapter 11移行のためのDIP financing の債権者は同額の新規債を受領
無担保債権者は債権の一部を現金とClass A 株式で受領
その他債権者と旧株主は受領なし
同社がChapter 11 を申請した時点では240億ドルの負債があったが、Chapter 11 離脱時には負債は72億ドル(20億ドルの現金等を控除するとネットでは52億ドル)となる。
このほか、設備や売掛債権を担保に24億ドルの借入予約を行った。このうち約10億ドルはChapter 11離脱時に実行する。
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危険廃棄物処理費用(分かっているだけで55億ドル)については、米国中の15の汚染地のクリーンアップのために250百万ドルを出す案が承認された。うち、ミシガン州のKalamazoo Riverの80マイルのクリーンアップに103百万ドルを支払う。
これに対して、同じ地域で除去を迫られている Weyerhaeuser やGeorgia Pacific が、自社の除去費用が増える恐れがあるとして反対したが、判事はこれを却下した。
汚染地域の上院議員や下院議員は、完全クリーンアップが筋であるとして不満を表している。
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各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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