厚生労働省は4月13日、子会社が血液製剤の試験データを改ざんしたとして、田辺三菱製薬に対して4月17日から25日間の一部業務停止と業務改善を命じた。
データが改ざんされていたのは連結子会社のバイファ(北海道千歳市)と共同開発し、バイファが製造、田辺三菱製薬が販売している遺伝子組換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注5%」で、同社は昨年3月にデータ改ざんを公表して5%製剤の承認を返上するとともに、同25%製剤を含めて自主回収している。
2009/3/26 田辺三菱製薬、試験データ改竄、承認取下げ、自主回収
業務停止の対象となるのは第1種医薬品の製造販売で、販売済み医薬品の安全管理や、代替性のない一部製品の供給は対象外となる。
同社の2010年3月期売上高予想は3900億円。うち行政処分対象は約1800億円。
在庫の出荷はできるほか、医薬品卸が仕入れ済みの製品を医療機関に販売することは可能で、自社と卸を合わせ約1ヶ月分の在庫がある。
厚労省はデータ改ざんした子会社バイファにも4月14日から30日間の一部業務停止を命じた。
田辺三菱製薬が設置した第三者委員会の委員長を務めた郷原弁護士は「旧ミドリ十字の利益重視、安全性軽視の企業姿勢が直接的原因」と指摘した。
厚労省によると、医薬品承認申請に関する薬事法違反での製薬会社への業務停止命令は1975年以降で約80件。1994年には抗ウイルス剤の副作用問題で発売後に死者15人を出した日本商事が105日間の製造業務停止処分を受けたが、田辺三菱のような大手の業務停止は異例という。
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岐阜県は3月26日、後発品大手の大洋薬品工業の高山工場(岐阜県高山市)に対し、薬事法に基づく業務停止命令を出したと発表した。期間は同日から4月3日までの9日間。
調合ミスにより承認規格外の製品を製造、出荷した。
「出荷判定試験時に、他のロットのサンプルが意図的に品質部門に提出され、試験が行われていたため、逸脱が判明することなく、市場に出荷された」(岐阜県)という。自主回収を行ったが、回収できたのは16%程度にとどまった。健康被害の発生の報告は、県等に寄せられていない。
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