丸紅は4月5日、インドでSBRの製造販売を行う合弁会社設立で合意したと発表した。
合弁相手はインド国営石油会社のIndian Oil Corporation Limited(IOCL)と、台湾の台湾合成ゴム(TSRC Corporation)。
会社名 :Indian Synthetic Rubber Limited(予定)
所在地 :インド ハリヤナ州パニパット
総投資額 :約2億米ドル(予定)
能力:12万トン
株主構成 :IOCL 50%、TSRC 30%、丸紅20%
稼働予定 :2012年
自動車産業の成長著しいインドでの需要拡大を狙って、インド国内初のSBR事業を行うもの。
インドの自動車販売台数は2009年4月~2010年2月までの11カ月間で259万台と、年率10%以上のペースで伸びており、今後数年で倍増し、米国、中国、日本に次ぐ世界第4位の市場となると言われている。
タイヤメーカーではブリヂストンが約500億円を投じてインドで2工場目となる新工場を建設する。2013年に稼働し、2020年には現地生産能力を現状より約8割増やす。
IOCLはインド国内に8か所の製油所を有し、石油化学事業の拡大を進めている。
ハリアナ州パニパットのパニパット製油所(原油処理能力・年間 600万トン)の隣接地にエチレン・コンプレックスを建設中で、エチレン857千トン、プロピレン650千トンのほか、HDPE、PP、MEGを建設する。
ほかに同地でPX 360千トンとPTA 553千トンを建設しており、またGujarat Refineryに120千トンのLABを持つ。
2006/6/5 インドのエチレン計画
ナフサクラッカーは今春に稼働予定で、このクラッカーから副産物として産出されるブタジエンを使用し、SBRを生産する。
TSRCは台湾の合成ゴムメーカーで、丸紅とは中国・タイですでに合弁事業を行っている。
中国・江蘇省南通市
会社名:Shen Hua Chemical Industrial Company (申華化学)
出資者:Polybus Pte Limited ( 台湾TSRC 子会社)
丸紅
Nantong Petro-Chemical Corporation
製品 :SBR 170千トンタイ・ラヨン県
会社名:Thai Synthetic Rubbers Co.
設立 :1995/11
出資者:宇部興産 73.1%
丸紅 13.0%
TSRC 13.0%ほか
製品 :BR 50千トン→増設後 72千トン(2006/1)
丸紅は、ブタジエンの有効利用を模索していたIOCLと、インド進出を目論んでいたTSRCを引き合わせた。
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