注目企業の決算-3 (住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)

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住友化学

減収、増益。
前々年比では大幅減益のまま。

基礎化学と石油化学は大幅増益ではあるが、赤字。

大日本住友製薬の米社買収の影響で、次期は営業損益は減益の予想。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3  18,965 1,024 928 631 6 6
2009/3 17,882 21 -326 -592 6 3
2010/3 16,209 515 350 147 0 6
前年比 -1,673 493 676 739 -6 3
(前々年比) (-2,756) (-509) (-578) (-484)    
2011/3 20,000 350 350 250 3 6
営業損益対比(億円)
  2008/3 2009/3 2010/3 前年比 2011/3
予想
  前年比 内訳
売価差 購入価格差 合理化 固定費差 数量差他
基礎化学 106 -153 -27 127 0   -410 435   40 62
石油化学 45 -303 -53 250 39    -1,270 1,275   -15 260
精密化学 114 16 15 -1 4   -40 55 5 10 -31
情報電子化学 63 -10 33 43 155   -400 0 184 130 128
農業化学 209 244 259 15 207   -70 75 10 5 -5
医薬品 465 324 293 -30 -5   0 0 0 -300 270
その他 37 -79 -5 74 -62   0 0 0 80 10
全社 -15 -17 -2 16 12            
合計 1,024 21 515 493 350   -2,190 1,840 200 -50 693
同社発表の2011/3予想では研究費配賦方法の変更などでセグメント別損益に変動があるため、
その変動を除外して表示。

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大日本住友製薬

2009年10月に米Sepracor Inc.を買収、2009年度実績には同社の2009年10月15日~12月31日の実績が含まれている。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 (研究費) 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3 2,640 312 (528) 314 200 9 9
2010/3 従来ベース 2,676 378 (484) 364 226    
米国子会社 286 83 (29) 79 52    
同 特許権、
ノレン代償却
  -105   -105 -69    
合計 2,963 356 (514) 338 210 9 9
前年比 322 45   24 10    
2011/3
従来ベース 2,430 264 (468) 238 156    
米国子会社 1,110 133 (207) 134 86    
同 特許権、
ノレン代償却
  -362   -362 -242    
合計 3,540 35 (675) 10 0 9 9

20103月期は前年比で増収増益となった。

20113月期予想は大幅減益で、営業損益は321百万円減り、当期損益はゼロの予想。
理由:
 ・国内は、薬価改定、後発品影響による減収により減益となる。(-114億円)
 ・米国子会社が通年で連結されることにより増益となるが、    (+50億円)
 ・米子会社の特許権やノレン代の償却がフルにかかる。     (-257億円)

Sepracor買収に伴う負担
  特許権 1,197百万ドル 品目ごとに償却 2010年負担 319百万ドル
  ノレン   914百万ドル 20年償却       同上    46百万ドル

    一括償却ではないため、暫くの間、負担が続く。

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三井化学

前年比増益ではあるが、以前赤字。
(但し、前半は190億円の営業損失、後半は95億円の営業利益)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3  17,867 772 661 248 6 6
2009/3 14,876 -455 -508 -952 6 3
2010/3 12,077 -95 -131 -280 0 3
前年比 -2,799 360 376 672 -6 0
(前々年比) (-5,789) (-866) (-793) (-528)    
2011/3 14,000 350 290 240 3 3

2011年3月期の損益には、特別利益として退職給付債務減額146億円を含む。
中長期の収益構造改善対策の一つとして、2010年4月に退職金・年金給付水準の見直しを行った。

営業損益対比(億円)    

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比 内訳
数量差 交易条件 固定費他
機能材料 359 -160 -76 84 41 -48 91
先端化学品 108 73 86 13 -26 -3 42
基礎化学品 335 -320 -76 244 66 52 126
その他 34 1 11 10 -8 -3 21
全社 -63 -49 -40 9     9
合計 772 -455 -95 360 73 -2 289

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旭化成

前年比は減収増益だが、前々年比では大幅減益。

ケミカル事業が海外での製品需要の回復により交易条件が改善、
コストダウンに努めた住宅事業が業績を伸ばした。

特別利益に、米国CoTherix社との仲裁の最終裁定による利益65億円を計上。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3  16,968 1,277 1,205 699 6 7
2009/3 15,531 350 325 47 7 3
2010/3 14,336 576 564 253 5 5
前年比 -1,195 227 239 205 -2 2
(前々年比) (-2,632) (-700) (-641) (-447)    
2011/3 16,770 800 775 425 5 5

営業損益対比(億円)   

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比 前年比増減内訳
数量差 売価差 コスト差
ケミカルズ 652 -65 261 326 -14 -762 1,102
ホームズ 214 219 253 35 -93 20 108
ファーマ 127 120 40 -80 24 -21 -84
せんい 72 -15 -28 -13 -10 -85 82
エレクトロニクス 222 73 72 -1 108 -182 74
建材 28 17 12 -5 -41 13 24
Service & Eng. 52 56 18 -38 -37 0 -1
全社 -90 -55 -53 2     2
合計 1,277 350 576 226 -63 -1,017 1,307

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東ソー

前年比増益で、全セグメントが黒字となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3   8,274 591 525 252 4 4
2009/3 7,335 -203 -211 -253 4 2
2010/3 6,287 130 101 69 3 3
前年比 -1,048 334 312 322 -1 1
(前々年比) (-1,987) (-461) (-424) (-183)    
2011/3 7,200 290 260 110 3 3

営業損益対比(億円)

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比  
石油化学 150 -48 79 127 在庫評価の影響の改善
基礎原料 27 -175 7 182 固定費の減少、在庫評価の影響の改善
機能商品 380 -9 15 24 固定費の減少、在庫評価の影響の改善
サービス 34 28 29 1  
合計 591 -203 130 334  

 


 目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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