中国中化集団、ブラジル油田に30億ドル出資

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中国中化集団公司(Sinochem)は5月23日、ノルウェーの国営石油会社Statoil ASAとの間で、ブラジル沖のPeregrino油田の権益の40%を対価 3,070百万ドルで買収することで合意したと発表した。

Peregrino油田はブラジルの海岸線から85キロメートルのCampos 海盆にあり、2011年に生産を開始する見込み。

取引はSinochemにとってこれまでで最大の海外投資となり、同社の石油開発(E&PExploration & Production )事業を拡大する。

Statoil は引き続き、残りの60%を保有し、操業を担当する。

Sinochemは元は1950年設立の国営の石油トレーディング企業で、旧称は中化工進出口公司(輸出入公司)。
2002年の石油輸出入におけるシェアは原油・製品輸入の4分の1、原油輸出の約40%を占め、利益の約25%は石油取引部門が寄与していた。

1998年の石油業界再編とその後のWTO加盟により、私営企業が石油取引に参入し、競争が厳しくなったため、同社はCNPCSinopecなどと同じく、石油の探鉱開発、生産、精製まで一貫操業を行う会社を目指し、200311月に中国中化集団公司に改称した。
CNPCSinopecCNOOCに次いで、中国の第4の石油メジャーとして、成長しつつある。

E&P事業や精製事業では国内で資産や設備を保有していなかったため、主に国外の油ガス田買収や製油所への資本参加等により参入を図った。

2002年に海外油ガス田の探鉱開発を行うSinochem Petroleum Exploration & Production Co., Ltd.を設立し、同年に215百万米ドルでノルウェーの油田サービス会社Petroleum Geo-Serviceの子会社Atlantisを買収した。

20086月時点で、チュニジア(Oudna海底油田で40%の権益)、UAEUmm al-Quwain海底油田)、エクアドル(ConocoPhilipsの権益の16%を取得)、イェーメン、中国の渤海湾で合計13箇所、原油換算129百万バレルの権益を持っている。

製油所については、大連西太平洋石油化工公司(Dalian West Pacific Petrochemical)に出資している。海外原油の処理を目的に仏TotalSinopec1998年の改革でCNPCに委譲)等との共同出資で1990年に設立した。処理能力は1000万トンに達している。

なお、2004年にSinochemは韓国の仁川精油の買収を決めたが、白紙に戻り、最終的にSKエナジーが買収した。

仁川精油は現代精油がハンファエナジーを買収して改称したもので、その後現代グループから離脱した。

200310月、Sinochemはタイの国営石油会社PTTと石油関連プロジェクトに関する包括的な協力協定に調印した。
協力範囲はタイ及び中国における石油・天然ガス資源の探鉱開発から精製、輸送、貿易、販売までを含む幅広い分野で、両者は委員会を設置し、協力事業について検討する。

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Sinochem はエネルギー以外では、農業資材、化学品、ファイナンス、不動産をコア事業として展開する。

農業資材では肥料、農薬、種子を扱う中国最大の企業で、2007年にChina National Seeds Group を吸収した。
同社は2009年9月、28億豪ドルで豪州のNufarmを買収する非拘束契約を締結した。

2009/10/6  Sinochem、 豪州農薬会社Nufarmを買収へ

しかし、この件は破談となり、2009年12月に住友化学がNufarm の発行済み株式の20%の取得ならびに同社と農薬事業の包括的な事業提携を行う方向で、基本的な枠組みを定めた覚書を締結、同社は2010年4月20%取得を発表した。

2010/1/4 住友化学、豪州農薬メーカー Nufarm と包括的業務資本提携へ


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