米の原油流出、環境や漁業に影響

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米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起きた原油の流出は事故から13日が過ぎた5月3日も止まらず、一部沿岸には油膜が漂着した。環境破壊や漁業、観光業などへの影響が心配される。

4月20日夜10時頃、ルイジアナ州ベニス南東約84キロで掘削中の海洋掘削プラットフォームDeepwater Horizon rig で爆発事故があり、作業員11人が行方不明(死亡とみられる)、負傷者は17人おり、うち3人が重傷。爆発当時、施設には126人がいた。

Deepwater Horizon rig は半潜水型の移動式海洋掘削プラットフォームで、掘削量は1日当たり最大8000バレル。
R&B Falconが設計、 Hyundai Heavy Industriesが建設した。R&B Falconを買収したTransocean (140の掘削リグを所有する世界最大の沖合掘削請負会社)が所有し、20139月までBPにリースしている。本年1月から現在の場所で掘削が行われていた。

メキシコ湾の米海域では4月16日現在、55の掘削リグが稼働しているという。

リグは2日後に沈没、水深約1.5kmの海底までパイプでつながれていたが、パイプは破損し、パイプ3箇所から原油が噴出したままとなっている。
パイプの元には自動的に原油流出を止める噴出防止バルブ(blow-out preventer)が備えられていたが、装置が稼動しなかった。

掘削中の油田はBPが65%、Anadarko Petroleum25%を所有している。
残り10%は三井石油開発の子会社MOEX Offshore 2007 LLC。

BPは対策として以下の案を考えているが、時間がかかりそうだ。

1)Robotic surgery
  無人潜水艦(ROV)で噴出防止バルブを稼動させる。

2)Put a lid on it
  パイプの流出箇所にContainment Chamber を下ろし、漏れた原油を吸い上げる。

<p><p><p>HTML clipboard</p></p></p>

3)Plug it up (抜本策)
  
横から別の井戸を最初の井戸に向かって掘り、泥やコンクリートを流し込み、流出を止める。   

付記  
BP発表(2010/5/5)
    ・折れたパイプの先端にロボットでバルブをつけるのに成功、ここからの漏れは止まった。
     (残り2箇所からの漏れは続く)
    ・
Containment Chamber 1個を現場に輸送、5日に下ろす。
       これまで経験のない深度であり、作業は難航している。
    ・別の井戸の掘削を2日に始めた。完成まで3ヶ月かかる。
   

付記
<p><p>HTML clipboard</p></p>BP発表(2010/5/16)
水深5000フィート(約1500メートル)の損傷した油井から水上の船まで流出原油を吸い上げるRiser Insertion Tube
挿入に成功した。
吸い上げるのは流出原油の一部。「すべての流出原油を回収することはできないが、メキシコ湾に流出している原油の量を減らすための重要な一歩だ」。流出を完全に食い止める方法が見つかるまでの一時的な措置で2回目の試みで成功した。    
   
来週にはゴムタイヤ片とゴルフボールの混合物を油井に吹き込み、泥とセメントで封をする「ジャンク・ショット」という呼ぶ方法を試す計画。

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原油の流出は事故から13日が過ぎた4月3日も止まらず、ルイジアナ州の一部にはすでに油膜が漂着、湿地の環境破壊や漁業などへの影響が心配される。
また今後、油膜が海流に乗ってメキシコ湾に面する各州に拡大する可能性があり、海岸が大きな観光資源でもあるフロリダ半島の東側でも不安が広がっている。

海洋大気局(NOAA)の推計によると、1日当たり80万リットルの原油が流出。この状態が50日間強続けば、1989年の米史上最悪のアラスカ沖原油流出事故(約4200万リットル)に匹敵することになる。

1989年3月24日、アラスカ州のValdez Oil Terminal からカリフォルニア州に向かっていたExxon Valdez 号が暗礁に乗り上げ、積載量53百万ガロンの20%にあたる1080万ガロンの原油がプリンスウィリアム湾に流出した。

4月30日までにルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダの各州は非常事態を宣言した。
海洋大気局は、事故現場に近いルイジアナ州などでの漁業を、少なくとも10日以上、禁止することを決めた。

クリーンアップや関連コストは少なくとも125億ドルとみられており、これはExxon Valdezの事故の際より80%多い。
BPは4月3日、クリーンアップのコストを負担すると発表した。

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オバマ大統領は3月31日、大西洋岸とメキシコ湾東部海岸、アラスカ北部海岸沖での石油・天然ガス探査を拡大する沖合い掘削に関する新方針を発表した。広範なエネルギー戦略の一環だとし、米議員らに対して温暖化ガスの抑制を目指す包括エネルギー・気候変動法案の可決を呼びかけた。

大統領は、米国の競争力維持には輸入原油に依存した現状からの脱却が必要であり、そのためには原子力発電拡充などの一方で自国産原油の活用が不可欠だと強調。油田開発では、新技術を用いることで環境への影響を最小限にとどめると主張した。

しかし、今回の事故を受け、ホワイトハウスは4月30日、メキシコ湾の石油掘削施設で起きた原油流出事故の調査が実施されるまで、新たな地域での石油掘削は認めない方針を明らかにした。「何が起こったのか、回避可能な特殊要因があったのかが判明するまで今後も承認しない」としている。

オバマ米大統領は2日午後、現地を視察した。

大統領は、対策を統括している沿岸警備隊の施設で被害状況や対策の方針について説明を受けたあと、「流出は止まっておらず、問題解決まで時間がかかる可能性はあるが、原油の流出を止めて事態が収拾されるまで、政府として全力を尽くす」と述べた。


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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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