医薬メーカーの決算

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各社の営業損益は以下の通り。

前年度については下記参照 
  2009/5/15  
注目会社 2009年3月決算-7 

 

武田薬品工業

減収だが、販売費及び一般管理費が研究開発費を中心に1,816億円の大幅な減少となったことで増益。
 研究開発費減少は、下記の米国事業再編の影響参照。
 その他の販売費及び一般管理費は、円高の影響などで250億円減少

次期は、米国でのプレバシドの特許満了や円高などでの減収と、新研究所の稼動に伴う研究開発費の増加などで減益の予想。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3 15,383 3,065 3,272 2,344 88 92
2010/3 14,660 4,202 4,158 2,977 90 90
前年比 -724 1,137 886 634 2 -2
2011/3 14,000 3,300 3,400 2,200 90 90

米国事業再編によるTAP社の分割・子会社化およびミレニアム社買収の影響

  営業損益 特別利益
2009/3  -2,423億円  713億円
2010/3 -792億円  
増減 1,631億円 -713億円

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アステラス製薬

円高で172億円の減益、研究開発費が1,590億円から1,955億円に365億円増加。

次期は特許満了などによる減収、製品構成変化による原価率アップで減益予想。
研究開発費は減。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3 9,657 2,504 2,715 1,710 60 60
2010/3 9,749 1,864 1,910 1,223 60 65
前年比 92 -640 -805 -487 0 5
2011/3 9,400 1,520 1,550 1,070 60 65

ーーー

エーザイ

当期は、AkaRx, Inc.買収に伴うインプロセス研究開発費239億円の計上により、営業利益、経常利益および当期純利益は減益。
(税務上の損金とならない)

次期は、これがないため、増益。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3  7,817 918 826 477 70 70
2010/3 8,032 864 797 403 70 80
前年比 214 -54 -29 -73 0 10
2011/3 8,100 1,050 985 650 70 80

2007年12月、がん・救急治療に強みを持つ米国バイオファーマ企業であるMGI PHARMAを総額約39 億米ドルの現金にて買収する最終契約を締結した。
2008/3はMGI Pharma買収に伴うインプロセス研究開発費874億円を計上

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第一三共

売上高は、2008年11月に子会社化したRanbaxy Laboratoriesの売上高1,466億円の寄与により増収となった。
利益面では、研究開発費は123億円増加したが、増収により増益となった。
営業外損益に、
Ranbaxyでのインドルピーの対米ドルレート変動リスクヘッジによるデリバティブ評価損益がある。
前年度は205億円の損であったが、当年度は172億円の益となり、差引377億円の増益となった。(次期は見込まず)

前年度は特別損失にRanbaxy Laboratories 「のれん償却」 3,544億円を計上している。

次期については、薬価改定の影響、研究開発費増加や新製品発売に伴う販売促進費の増加で減益を予想。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3 8,421 883 546 -3,358 40 40
2010/3 9,521 955 1,031 419 30 30
前年比 1,100 72 485 3,777 -10 -10
2011/3 9,800 900 850 450 30 30

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田辺三菱製薬  既報 

研究開発費の一時金支払いなどでの増、退職給付費用の増などで販売費及び一般管理費が105億円増加

 

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中外製薬(12月決算)

タミフル売上高が762億円で前年比678億円増、その他製品でも増収となり、この結果増益となった。

次期については、マイルストーン収入の減少や薬価改定などの要因、営業費・研究開発費の増加で減益を予想。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/12 3,269 516 573 393 15 19
2009/12 4,289 826 904 566 17 23
前年比 1,020 310 331 174 2 4
2000/12 4,185 700 705 440 17 17

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大正製薬

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3  2,562 379 399 88 12 15
2010/3 2,584 347 367 195 12 15
前年比 22 -32 -32 107 0 0
2011/3 2,620 360 405 245 12 15

2007/3は、主力のドリンク剤の異常気象などにともなう市場の落ち込みが響き、大幅減益となった。

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塩野義製薬

増収、増益。
(塩野義製薬は2008年10月、米国の中堅製薬会社Sciele Pharmaを総額14億2400万ドルで買収したが、前年度にはこれに伴う仕掛研究開発費 97億円等を含む)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2009/3      2,275 320 320 157 14 14
2010/3 2,785 524 505 386 18 18
前年比 510 204 185 230 4 4
2011/3 2,950 610 590 390 20 20

ーーー

大日本住友製薬   既報

 


 目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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