光ファイバーケーブルのカルテルで過去最高の課徴金

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公正取引委員会は5月21日、NTT東日本などが発注した光ファイバーケーブルなどの受注をめぐり、価格カルテルを結んだとして、住友電気工業など5社に排除措置命令を出し、総額約160億円の課徴金納付を命令した。
    
http://www.jftc.go.jp/pressrelease/10.may/10052103.pdf

約20種類ある光ファイバーケーブルの種類ごとに「覚悟値」と呼ばれる値引き限度額を設定し、交渉で価格が下落するのを防いでいた。 

排除措置命令及び課徴金納付命令                     単位:千円
  NTT東日本等向け  NTTドコモ
向け
合計      
光ファイバー
ケーブル
FAS
 コネクター
熱収縮
 スリーブ
光ファイバー
 ケーブル
住友電工 4件
6,267,740 182,230 33,560 279,190 6,762,720
古河電工 4件
4,273,350 136,800 22,470 173,400 4,606,020
フジクラ 4件
4,176,050 118,360 15,400 101,830 4,411,640
昭和電線
ケーブルシステム
      1件
199,030       199,030
住友スリーエム       1件
  120,020     120,020
アドバンスト・
ケーブルシステムズ*
(自主申告で免除)
コーニング
インターナショナル
(アドバンストに営業譲渡)
昭和電線
ホールディングス
(昭和電線ケーブルシステムが承継)
日立電線 (アドバンストに営業譲渡)
合計 4社 4社 3社 3社 14社
14,916,170 557,410 71,430 554,420 16,099,430
* アドバンスト・ケーブルシステムズは Corning Cable Systems 50%、日立電線 50%


今回の課徴金はカルテルとしては過去最高額で、談合を含めても過去2番目の規模。

カルテルとしてのこれまでの最高額は、溶融亜鉛めっき鋼板カルテルの155億円。

  2009/8/31 溶融亜鉛めっき鋼板カルテルに排除措置及び課徴金納付命令

談合での最高額は、2007年3月のごみ処理施設の製造施工業者に対する課徴金の270億円で、今回はこれに次ぐ。

単位:千円
三菱重工業  6,496,130
JFEエンジニアリング 5,732,510
川崎重工業 5,165,580
日立造船 4,901,020
タクマ 4,702,650
合 計 26,997,890

5社は審決取消請求訴訟を提起していたが、2009年10月に最高裁は上告棄却・不受理決定を行った。


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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