PetroChina大慶煉油化工、PPの第二工場の建設開始

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PetroChina大慶煉油化工(Daqing Refining & Chemical) 69日、黒龍江省大慶市譲胡路区でPPの第二工場の建設を開始した。
BasellSpherizone 技術を使用するもので、能力は30万トン、2012年下期の完成を目指す。
同社は
2005年に30万トンのPP工場を稼動させている。

同じ大慶市の竜鳳区にはPetroChinaのもう一つの子会社、PetroChina大慶石油化学(Daqing Petrochemical) があり、10万トンのPP工場を持っており、大慶煉油化工の第二工場完成後の合計能力は70万トンとなる。

大慶煉油化工の第一工場は原料プロピレンを自社の製油所から得ているが、第二工場については大慶石油化学の建設中の第二エチレンクラッカーからパイプラインで供給を受ける。

大慶石油化学と大慶煉油化工の現状と計画は以下の通り。(千トン)

  大慶石油化学 大慶煉油化工
能力  計画 能力  計画
製油所 6,500   6,000  
エチレン    600   600    
PE    540  250
300
   
PP    100   300 300
ABS    105      
SAN     75      
SM     90 100    
BR     80      
BTX   400    
gasoline hydrogenation   600    
ポリアクリルアミド     100  

大慶石油化学は当初手直しで200千トンの増設を検討したが、600千トンの新設に変更した。
2012年に完成する予定。

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大慶石油化学は当初、Sinopecの子会社であった。

1983年7月に中国で石油化学を担当するため、中国石油化工総公司が設立された。これが現在のSinopecである。
大慶石油化学(1962年設立)も他の石油化学各社とともに、Sinopecの子会社となった。

大慶石油化学では1980年代に30万トン級のエチレンコンプレックスが建設された。

これに昭和電工のEthylene Plant Information Control Systemが技術供与された。

高杉良の小説「生命燃ゆ」は、大分石油化学コンビナート(鶴崎油化)でこれを完成させ、病を押して中国への技術供与を行い、完成を見ずに亡くなった同社の垣下怜氏(小説では柿崎仁)を描いている。

1988年に政府の石油探査、開発、生産部門を中国石油天然気総公司(CNPCPetroChina)とし、上流をCNPC、下流をSinopecに分離したが、その後、両社の利害が対立した。

この結果、1998年に再編を行い、石油と石油化学を垂直統合した新CNPCと新Sinopecが誕生、両社はほぼ万里の長城を境に、中国東北部と西北部をCNPC、長江以南と北京周辺を新Sinopecが担当することとなり、大慶石油化学はPetroChina に移った。

その後、石油の販売でこの協定は崩れ、現在は各地で競合している。

大慶煉油化工は大慶地区での第二の製油所として2000年にPetroChinaにより設立された。


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