中国が「戦略的新興産業計画」をとりまとめ

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中国の国家発展改革委員会、科学技術部、財政部、工業情報化部は 2010年の年初に、「戦略的新興産業の形成加速に関する決定(草案)」を共同で作成し下達したが。その後の意見のすり合わせの結果、5月下旬に、戦略的新興産業計画の方向性が7分野と23の重点項目に整理された。

「戦略的新興産業計画」は最終的に9月にとりまとめられ、その後各分野の具体的発展計画および関連の支援政策が続々と打ち出される見通し。

狙いは発展構造の根本的な転換で、次の7分野、23重点項目となっている。

省エネ・環境保護 ・高効率・省エネ
・先進的環境保護
・循環利用
新興情報産業 ・次世代通信ネットワーク
・モノのインターネット(*)
・ 「三網融合」(通信・放送・インターネットのネットワーク融合)
・新型フラットモニター
・高性能IC(集積回路)
・ハイエンド・ソフト
バイオ産業 ・バ イオ医薬
・バイオ農業
・バイオ製造
新エネルギー ・原子力エネルギー
・太陽エネルギー
・風力エネルギー
・バイオマス
新エネルギー車 ・プラグイン型のハイブリット車(HV)
・電気自動車
ハイエンド機械製造業 ・航空・宇宙
・海洋プロジェクト設備
・最先端のインテリジェント設備
新素材 ・特殊機能
・高性能の複合素材

(*)モノのインターネット(IoT: Internet of Things)は日本の「ユビキタスネット」と同様、RFID(無線チップによる識別・管理)技術などを使って、あらゆるものをインターネットに接続しようというもの。

中国政府はグローバルな金融危機に対応するため、2008年末に4兆元投資計画」、2009年初めに10大産業振興計画」を実施し、成功を収めた。

2008/11/12 中国、緊急経済対策に57兆円

2009/2/25  中国政府、石油化学産業の景気刺激策を承認

「戦略的新興産業計画」は「10大産業振興計画」「4兆元投資計画」以来の大規模な産業投資計画であるが、これらと本質的に異なるのは、今回の投資計画が発展モデルの転換という根本的変革を狙ったものであること。

国家発展改革委員会の張暁強副主任は「前回の2計画はいずれも内需拡大とインフラ建設強化という視点に立ち、伝統産業の建て直しを見据えたものだったが、今回の計画は新興産業プロジェクトにシフトしている」と述べている。 


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