韓国鉱物公社、アルゼンチンのリチウム開発に参加

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韓国鉱物資源公社Korea Resources Corp)とGS CaltexLG International Corp の韓国コンソーシアムは6月4日、リチウム専門企業のカナダのLithium One Inc.のアルゼンチンのリチウム探査事業 Sal de Vida Projectに参加する合弁契約を締結した。
コンソーシアムは同計画に30%を出資する。

Lithium One はリチウム開発に特化する会社で、アルゼンチンのSal de Vida Projectのほかにカナダのケベックで James Bay Lithium Pegmatite Project に取り組んでいる。
ペグマタイト鉱物の一種(ケイ酸塩鉱物)のリシア輝石に含まれるリチウムを開発するもの。

同じケベックではCanada Lithium Corp.がリチウムを生産しており、三井物産が独占的な営業権を取得した。
2013年から年2000トン程度を輸入する。

Sal de Vida計画はアルゼンチン北部のHombre Muerto塩湖の東部地区でリチウムを開発するもの。Lithium One は東部地区600km2のうちの300km2を取得するオプションを持っている。
Sal de Vida地域には推定で炭酸リチウム200万トンと塩化カリウム900万トンが埋蔵されているという。

現在、権利所有地の1/3について、サンプリングが完了している。

コンソーシアムはまず1,500万ドルを投入し、2012年まで詳細探査作業を行う予定で、探査結果を検討して本格的に開発するかどうかを決める。
開発が施行される場合、生産量は年
12,000トンの予定で、韓国側は昨年の輸入量(5,142トン)より多い年 6,000トンのリチウムを確保する。

西部地区ではFMCの子会社Minera del Altiplanoが所有するFenix1997年から生産を開始、現在、アルゼンチンで唯一、リチウムの商業生産を行っている。同社の2008年の生産量は全世界の生産の14%を占める。

韓国鉱物資源公社は、「リチウムはハイブリッド自動車や電気自動車などの2次電池の原料として需要が急増しているが、現在、韓国はすべて輸入に頼っている。今後はリチウム確保に向け、チリやアルゼンチン、ボリビアを積極的に攻略したい」と語った。

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豊田通商は2010年1月19日、豪州 Orocobre Limited と、アルゼンチンのOlaroz塩湖でのリチウム資源開発のための事業化調査を約する覚書を締結した。
事業化調査の結果をもとに、共同出資会社を設立し2012年より生産を開始する予定で、2014年には、炭酸リチウム年間15,000トン、塩化カリウム年間36,000トンの生産を目指す。

豊田通商が先ず25%を出資するが、その後、政府が独立行政法人を通じて、その3~4割を出資する方針。

南米のリチウム開発: 2009/5/5 韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ 

ボリビアでは既報の通り、日本や韓国、フランスが開発権の取得で争っているが、ボリビア政府は2010年3月、リチウムの探査から開発、商業生産まで一手に担う新組織「国営ボリビア蒸発資源会社」を発足させた。

外資に依存せずにリチウムを国内で一貫生産し、経済発展の起爆剤にしたい考え。

Morales大統領はリチウムを“
hope of humanity” と呼び、ボリビアの将来の経済発展のキイであるとしている。
抽出したリチウムをそのまま輸出するのではなく、ボリビア国内で精製し、電池や自動車会社を誘致して、産業化したい意向。

ボリビアでは新しい鉱山法を準備中である。


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