Akzo Nobelは6月21日、2008年1月に買収したICIの一部、National Starch 事業を、米国のスターチや甘味料のメーカーのCorn Products International に売却すると発表した。
Akzoは現金13億ドルを受け取り、National Starchの年金債務等はCorn Products負担となる。
関係当局の認可を得て、第3四半期に取引完了の予定。
AkzoはICI買収の時点で、National Starchの事業のなかの接着剤とエレクトロニック材料事業をHenkelに売却しており、今回、National Starchのメインの部分(食品添加物とスターチ)を売却するもの。
塗料や特殊化学品を中心とする企業に衣替えしたAkzo Nobelにとって、スターチ事業のNational Starch は異質であった。
National Starch の2009年の売上高は12億ドル、8カ国11工場に2,250人の従業員を抱える。
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Akzoは2007年8月に、ICIを約80億ポンド(約1兆9000億円)で買収することで合意し、2008年1月2日に発効した。
2007/8/13 Akzo が ICI を買収
ICIは1997年に、化学品のなかでも付加価値が高く、投下資本が少なく、景気変動の影響が少なく、研究開発により重点を置いた事業に急速に転換することを決めた。
1997年7月、ICIは英蘭系Unileverの特殊化学品4社、National Starch(工業用接着剤、レジン、産業用でんぷん)、Quest(香料、乳化剤、芳香剤)、Uniqema(脂肪酸、グリセリン)、Crosfield(シリカ、ケイ酸塩、ゼオライト:その後売却)を買収すると同時に、既存事業を順次、分離・売却していった。
その結果、ICIはスペシャリティ化学品を中心とした「新生ICI」に生まれ変わった。
塗料のほかは、Unileverから購入したNational Starch、Quest、Uniqemaが中心である。
2006年にはQuest、Uniqema を 売却し、売却代金を退職年金不足額の充当と負債の返済に充てた。
この結果、Akzoが買収した時点のICIは塗料事業とNational Starchだけとなっていた。
ICIの事業の変遷は以下の通り。
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