イラク内閣は6月29日、シェルと三菱商事のイラク南部での油田ガス回収事業を承認した。調印時期は未定。
JVはBasra Gas Companyという名前で、イラクが51%出資し、シェルが44%、三菱商事が5%出資する。
所要資金は120億ドル(将来170億ドルまで増える可能性あり)で、イラク南部の4つの巨大油田ー Rumaila、Zubair、West Qurna Phase 1、Majnoon油田ーでそのまま燃やされている付随ガスを回収、当初はイラクの電力不足解消のため発電に使用、将来は液化設備をつくり、最大日量6億立方フィートの輸出を行う。
イラクの現在の発電所は夏の需要ピーク時には必要な発電が出来ず、厳しい割当制度で5時間のうち1時間しか配電がない状況となっており、 最近もデモが相次いでいる。
現在、ガス処理設備がないため、4つの油田から日量10億立法フィートもの付随ガスがそのまま燃やされている。
この計画は3月にサインする予定であったが、主にイラク側の資金調達がネックとなり、最終決定に到らず、6ヶ月延長で合意していた。
イラク側負担も大きいが、イラクは本年は190億ドル程度の財政赤字が予想され、余裕がない。
今回の決定発表に当たり、資金手当てについては一切明らかにしていない。
(なお、所要資金120億ドルのうち、既存のガス設備が15億ドル程度含まれているため、当初のイラク側の追加支出は不要との報道がある)
イラクは2009年に第一次、第二次の油田開放を行った。
シェルは、第一次でExxonMobil (80%)/Shell(20%)でWest Qurna Phase1、
第二次でShell(60%)/Petronas(40%)でMajnoonの開発権を得た。
2009/12/14 イラクの石油第二次入札で石油資源開発が落札
当初はShell参加のこの2油田でのガス開発を目指したが、イラク政府の要請で、Rumaila (BP/CNPCが開発権)とZubair (Eni/ Occidental/ 韓国ガス公社が開発権)のガスも含めることとした。
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イラク政府は昨年6月の第一次入札にAkkasガス田とMansuriyahガス田を出したが、どこも応札しなかった。
石油相は9月の第三次入札に3つのガス田(上記2つと南部のSibbaガス田)を出すことを計画している。
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