伊藤忠、米国リチウム資源開発会社に資本参加

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伊藤忠商事は7月5日、リチウム資源の確保を目指し、米資源開発会社であるSimbol Mining Corporationに資本参加したと発表した。出資は約20%となる。

Simbol Miningは、カリフォルニア州南部のソルトン湖(Salton Sea)近くに位置する地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収、リチウム化合物を製造する事業を推進しており、数年以内の商業生産に向けて製造技術の開発及び改良を行っている。

同事業は、地熱かん水を利用する世界初のリチウム化合物製造事業で、同社が開発を進めているカリフォルニア州南部地域に存在する地熱かん水にはリチウムが多く含まれていることが確認されている。

Simbol Miningは、熱水や塩水から特殊なイオン交換技術で回収し、脱水・濃縮して低コストで炭酸リチウムを量産化できる技術を確立した。
また、地熱かん水に含まれる炭酸ガスや地熱かん水の持つ熱源を利用する等、地熱かん水が持つ特長を活用することにより競争力のあるリチウム化合物の生産だけではなく、二酸化炭素排出を抑えた、環境に優しい事業を推進している。

地下水よりも深い場所からくみ上げるため、飲み水を汚染しない。

年間生産量は約16,000トン(炭酸リチウム換算)となる予定で、原料である地熱かん水からリチウム化合物の生産が短時間で行えることから、需要拡大に応じて短期間で増設・増産が可能
このため、将来は、現在の世界の生産能力である約123,000トンの約50% に相当する年産64,000トンの炭酸リチウム生産が可能であるという。

南米の塩湖がリチウムの数少ない供給拠点と なっているが、塩湖の水を天日干しにして採取するため出荷まで1年半も時間がかかり、生産量は天候に左右されやすい。

これに対し、Simbol Miningの方法では1日半で出荷できる。

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伊藤忠は、Simbol Miningの生産するリチウム化合物の販売につき、日中韓を含めたアジア(インドを除く)向け総販売代理店権を獲得した。
今回の投資に当たっては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による融資を受ける方向で検討を進めている。

伊藤忠は中期経営計画において環境・新エネルギーに注力、中でも「蓄電池」を重点的に取り組む分野と位置付けている。
米国のリチウムイオン電池メーカーの EnerDelを傘下に持つEner1への出資や、戸田工業との合弁事業による北米での正極材・同原料の生産等、リチウムイオン電池関連事業に積極的に参画しており、本投資により上流の資源確保にまで踏み込んだバリューチェーン構築を加速する。

伊藤忠は2009年12月にEner1(エナール・ワン)に20百万ドル(5%弱)の出資を行った。
Ener1の100%子会社である EnerDel社は、OEMレベルの車載用のリチウムイオン電池システムを製造可能な電池メーカーで、米国内で唯一、セルから電池システムまで一貫して開発・製造できる量産設備を持っている。

伊藤忠と戸田工業は本年3月、リチウムイオン電池の正極材の生産・販売を行う合弁会社を設立し、また、正極材原料を生産するカナダの戸田工業の子会社を合弁会社とすることで基本合意した。
リチウムイオン電池の主要部材である正極材の新工場を米国ミシガン州に建設する。新工場は2011年に操業を開始 し、欧米の電池メーカー向けに出荷を開始する予定。

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Simbol Miningは、2007年に米国エネルギー庁傘下のLawrence Livermore National Laboratoryのスピンアウトとして発足した。

当初、Lawrence Livermore からシリカの抽出技術を導入した。普通の方法ではパイプやフィルターが詰まるため、この技術はリチウムや他の物質を抽出する道を開いた。

同社は2008年8月に670万ドルの増資を行い、MDV-Mohr Davidow Ventures Firelake Capitalなどのベンチャーキャピタルが株主になった。Lawrence Livermore National Laboratoryも株主。
米エネルギー庁から300万ドルの補助金を受けている。

事業化の目処が立ったことから今回、戦略的パートナーとして伊藤忠商事の事業参画を受け入た。

 


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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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一日半でリチウムを回収できるSimbol Mining社の技術に興味があります。より詳しく知るにはどうしたら良いでしょうか?

同社はその後改称し、現在の社名は Simbol Materials です。
同社のホームページの http://www.simbolmaterials.com/?ref=Guzels.TV に若干の記載はありますが、末尾の問い合わせ先に問い合わせるか、出資した伊藤忠に聞かれたらいかがでしょうか。

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