中国国家統計局が7月15日に発表した上半期の経済成長率は、前年比プラス11.1%となった。
第1四半期は11.9%、第2四半期はエコノミストの予想10.5%を若干下回り10.3%となった。
政府の公共工事などの固定資産投資額が、ことし上半期の累計で、前の年に比べて25%増えて、国内需要をけん引したことに加え、一時期落ち込んでいた輸出が、ここ2か月連続して前年比40%以上上回るなど、急回復していることなどによる。
景気過熱を抑えるための政府の引き締め策が徐々に効きつつあるが、引き締めが行き過ぎると失速する懸念がある。
2010年通年では中国のGDPが日本のGDPを超えるのはほぼ確実と見られる。
民間調査機関の試算では第2四半期に超えた可能性もある。
中国税関総署が7月10日発表した6月の輸出額は前年同月比43.9%増の1,373.9億ドルとなり、単月で過去最大を記録した。
これまではリーマン・ショック前の2008年7月が最大だった。
輸入は34.1%増の1,173.7億ドル。
貿易収支は前年同月の約2.5倍の200.2億ドルの黒字となった。
3月に輸入の急増で6年ぶりの貿易赤字に陥ったが、その後、再び貿易黒字がふくらんでいる。
輸出については、今後減少に転ずる可能性がある。
(1) | 6月の輸出は、EU向けは43.2%増、米国向けは43.8%増で、日本向けは37.1%増となっているが、5月以降の欧州からの新規受注は減少傾向にあり、今後鈍化する懸念が強まっている。
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(2) | 財政部と国家税務総局は6月22日、「一部商品の輸出増値税還付の取り消しに関する通知」を発表し、7月15日から一部の鋼材や非鉄金属製建築材料などを含む406種類の商品関税コードの製品について、輸出増値税(付加価値税)の還付を取り消すことを明らかにした。 これは輸出の採算の悪化となる。
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(3) | 人民元の対ドル相場の上昇が続けば、対米輸出に影響が及ぶのは必至。 逆に上昇しなければ、米国の対抗策の懸念もある。
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中国の自動車の生産は相変わらず好調である。
中国自動車技術研究センターは7月5日、上半期の実績を発表した。
国産自動車の生産台数は前年同期比44.37%増の847万2200台、販売台数は同 30.45%増の718万5300台で、引き続き世界一だった。
但し、販売台数は今年4月から3カ月連続で前月を下回り、在庫状況はまだ正常な範囲内にあるものの、合理的な在庫の上限に達している。
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