中国地域経済の新版図 -3

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中国の人民網は特集「中国地域経済の新版図」を掲載した。

Ⅴ 中部地区

中部6省には山西、安徽、江西、河南、湖北、湖南が含まれ、人口は全国の28.1%を占める3億6100万人、そのうち農村人口は2億4400万人で全国の農村人口の1/3近くを占めている。
2009年9月23日に国務院常務会議では「中部地域の振興促進計画」を審議し、原則として通過させた。会議では「中部地域の振興促進計画」を実施し、2015年までに中部地区で経済発展水準の顕著な向上や発展エネルギーのさらなる増強、持続可能な発展能力の明らかな向上、調和社会建設における新たな進展という目標の実現を目指すと述べた。

1. 湘潭市都市全体計画

2010年2月5日に国務院弁公庁は「湘潭市都市全体計画の許可に関する通知」を発表し、改正後の「湘潭市都市全体計画(2010-2020年)」に原則的に同意した。
同「通知」によると、湘潭市は長株潭(長砂--株州--湘潭)地区の中心都市の一つで、湖南省の重要な工業や科学技術、観光の都市。「全体計画」で確定した1069平方キロの都市計画区範囲内では、都市と地方の統一計画管理を実行する。中心都市の「一江両岸(1つの川と2つの岸)」の山水都市の配置をさらにグレードアップする。
2020年には中心都市の都市人口を110万人以内に抑え、都市建築用地を110平方キロ以内とする。

 

2. 皖江都市帯

皖江都市帯は安徽省内の皖江(長江流域)の92県。

2010年1 月に中国国務院は「皖江都市帯産業移転支援モデル区計画」を許可した。これは中国が設立を許可した初めての国家級の産業移転支援モデル区で、産業移転が中国の国家戦略の一つにステップアップしたことを表すもの。

同「計画」で設定された目標によると、2015年までにモデル区の総生産を2008年の2倍以上とし、1人あたりの地区の総生産を全国平均水準以上とし、都市化率を56%に到達させる。

3.  陽湖生態経済区    

中国最大の淡水湖である陽湖は江西省北部に位置し、中国の重要な生態機能保護区であると同時に、世界自然基金会(WWF)が指定した世界重要生態区でもあり、洪水調節・蓄積、気候調節、汚染軽減などのさまざまな生態機能を備えている。

2010年1月に国務院は「ハ陽湖生態経済区計画」を許可し、ハ陽湖生態経済区計画を国家戦略に引き上げた。
生態産業クラスタとしてのハ陽湖生態経済区計画で、同計画によると、ハ陽湖生態経済区には江西省政府所在地の南昌や有名な陶磁器の町・景徳鎮など3都市と38の県(市、区)が含まれ、面積は約5万平方キロで省全体の総面積の3割を占める。人口は約2600万人で省全体の総人口の半分、経済総量は省全体の6割を占める。

2015年までに地域生態環境の質で全国上位となることを目指し、発展の遅れた地区で生態産業システムを率先して構築し、生態文明の建設で全国のトップレベルを目指す。2020年までに強力な保障の力を持つ生態安全システムを構築し、先進的で効率的な生態産業クラスタを形成し、生態的な居住に適した新たな都市クラスタを構築する。


 

4. 黄河デルタ地域の高効率生態経済区発展計画

黄河デルタは渤海南部の黄河が海に注ぐ沿岸地区に位置し、山東省の東営や
 
の一部地区を含む19の県(市、区)にまたがる総面積2.65平方キロの地域で、山東省全体の6分の1を占める。総人口は約985万人で、省全体の総面積の10分の1近くを占める。

同地区は土地資源の優位性が際立ち、地理的な条件が優れ、生態システムが独特の特色を備え、産業発展の基礎が優れており、効率的な生態経済発展の優れた条件を備えている。

中国国務院は2009年11月23日に「黄河デルタ地域の高効率生態経済区発展計画」を許可し、中国の三大デルタ地域の一つである黄河デルタ地区の発展を 国家戦略に引き上げ、国家と地域の協調的発展戦略の重要な一部とした。

黄河デルタは渤海南部の黄河が海に注ぐ沿岸地区に位置し、山東省の東営や
の一部地区を含む19の県(市、区)にまたがる総面積2.65平方キロの地域で、山東省全体の6分の1を占める。総人口は約985万人で、省全体の総面積の10分の1近くを占める。

同地区は土地資源の優位性が際立ち、地理的な条件が優れ、生態システムが独特の特色を備え、産業発展の基礎が優れており、効率的な生態経済発展の優れた条件を備えている。

中国国務院は2009年11月23日に「黄河デルタ地域の高効率生態経済区発展計画」を許可し、中国の三大デルタ地域の一つである黄河デルタ地区の発展を 国家戦略に引き上げ、国家と地域の協調的発展戦略の重要な一部とした。


Ⅵ 東北地域

1. 東北地域振興計画

2007年8月、国家発展改革委員会と国務院東北地域など旧工業基地振興指導小グループ弁公室が作成した「東北地域振興計画」が発表された。
同計画の範囲には遼寧省、吉林省、黒竜江省、内モンゴル自治区呼倫貝璽市、興安盟、通遼市、赤峰市、錫林郭勒盟(蒙東地区)が含まれる。
土地面積は145万平方キロメートル、総人口は1億2千万人。中国の東北辺境地区で自然や地理が整い、自然の資源が豊富で、多民族が融合し、開発の歴史が似通い、経済が密接に関係し、経済的な実力が強い大経済地域であり、全国の経済発展で重要な位置を占めている。

振興の目標:
10から15年の努力を経て、東北地区を体制メカニズムが優れ、産業構造が合理的で、都市と農村、地域が相互に協調的に発展し、資源型都市の優れた発展を成し遂げ、社会が調和し、総合的な経済発展水準が高い重要な経済成長地域とする。
国際的な競争力を持つ装備製造基地、国家の新型原材料・エネルギーの保障基地、国家の重要な商品糧食や農業・畜産業生産基地、国家の重要な技術研究開発・革新の基地、国家の生態安全の重要な保障区を形成し、東北地区の全面的な振興を実現する。

2. 瀋陽経済区

瀋陽経済区は瀋陽を中心に、鞍山、撫順、本渓、営口、阜新、遼陽、鉄嶺の合計8都市を含み、中心都市の瀋陽の経済的な波及と吸引を通じて、周辺の経済社会活動と緊密に関連した地区で形成される「地域経済共同体」である。
瀋陽経済区は中国の重要な重化学工業発展の基地の一つで、東北地区の経済発展の重要な地域であり、遼寧省の経済の中心地帯。区全体の総面積は7万5402平方キロメートル、総人口は 2362万人。

2009年、瀋陽経済区の地区総生産は合計9984億7千万元。総合的な関連の改革試験を通じて、瀋陽経済区を国家の新型産業基地の重要な成長区、旧工業基地の体制革新の先導区、資源型都市の経済転換のモデル区、新型工業化による現代的農業の発展牽引の先行区、資源節約・環境保護・調和的発展の生態文明区とする。
総合的な関連の改革の試験を通じて、瀋陽経済区は都市間をつなぐクラスタ効果を発揮し、また5本の都市間連結帯をキャリアとして、十の主な業界が突出し大きな優位性を持つ重点産業クラスタを生み出す。

目標:2020年までに瀋陽経済区で地域経済の一体化を基本的に実現し、総合的な経済の実力を中程度の先進国のレベルに到達させ、北東アジア地域の重要な経済の中心とする。


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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