BPは8月3日、コロンビアで石油・ガスの採掘、生産、輸送事業を行う子会社BP Exploration Company (Colombia)を、コロンビアの国営石油会社Ecopetrolが51%、カナダの独立系石油・ガス会社Talismanが49%出資するコンソーシアムに売却することで合意したと発表した。
売却金額は19億ドル(全額現金)で、年末までに取引完了の予定だが、12.5億ドルの頭金を受け取る。
BP Exploration Company (Colombia)は5鉱区の権益を持ち、確認埋蔵量は石油換算で6千万バレル、生産量は日量25千バレルとなっている。また、Cusianaガス処理設備と、合計で原油1600km、ガス400kmのパイプラインの権益を持っている。
なお、コロンビアの潤滑油事業と、下流の販売事業は売却対象に含まれていない。
Talisman は1992年設立のカナダの独立系石油・ガス会社で、米国・カナダ、北海、東南アジア(インドネシア、マレーシア、ベトナム、豪州、パプアニューギニア)などで事業を行っている。
BPは7月27日に、今後18ヶ月で300億ドルの事業を売却する計画を発表、既に米国、カナダ、エジプトの事業をApache Corporation に70億ドルで売却する契約を結んでいる。
2010/7/22 BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却
ーーー
BPは又、パキスタンとベトナム政府に対して、両国にある石油・ガス権益を売却する意向を伝えたことを明らかにした。
BPはベトナム沖のNam Con Sonガス計画の35%を保有、残りをONGCが45%、PetroVietnamが20%を保有している。
BPはまた、ガス田から陸上のターミナルまでの371kmのパイプラインの権利の一部と、ガスを使用するPhu Myの発電所の1/3の権利を所有している。
パキスタンでは、1社に認可された開発区域としては最大の深海鉱床を含む複数の油ガス田の売却を予定している。
インドの国営Oil and Natural Gas Corp(ONGC)はBPのベトナム権益買収で交渉していることを明らかにしている。同社はパキスタンの権益には関心を持っていない。
ーーー
シノペックは7月30日、同社による英BP資産の買収案が拒絶されたことを明らかにした。
シノペックのZhang Jianhua副社長は、「同社はBPの一部優良資産の買収について交渉を進めていたが、BPは売却に同意しなかった」と述べた。対象資産については明らかにしていない。
ーーー
なお、BPは中国海洋石油有限公司(CNOOC)との間で、アルゼンチン最大の原油輸出企業でチリ及びボリビアに石油・ガス資産を持つPan American EnergyのBP持ち株(60%)の大半をCNOOCに売却する方向で交渉を進めていると伝えられている。この価値は 90億ドル程度とされている。
Pan American Energyの残り40%はBridasが所有する。
Bridasはアルゼンチンのカルロス・ブルゲロン氏傘下のBridas Energy Holdings の子会社であったが、2010年3月にCNOOCはBridasの株式50%を31億ドルで購入、現在は、Bridas Energy Holdings 50%/CNOOC 50%となっている。
目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
コメントする