Sipchemは8月4日、Rhodiaと組んでJubail Industrial Cityで サウジで初の酢酸エチルを事業化すると発表した。
Sipchem単独で建設、製造するもので、能力10万トン、投資額は107百万ドルで、2013年のスタートを目指す。
プラントは酢酸ブチルも生産できるよう設計する。
Rhodiaは原料のエタノール(海外市場で入手)と技術を供給し、製品の販売を行う。
酢酸エチルの製法には、①酢酸+エタノール、②アセトアルデヒド原料、③エチレン+酢酸(昭和電工がインドネシアで事業化)があるが、①を採用する。
Sipchemは下記の通り、1期、2期を実施しており、酢酸、COは2010年6月にスタート、VAMは8月にスタートした。
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Sipchemは2006年11月に、第3期計画としてオレフィンと誘導品計画を発表した。
原料 :アラムコ(エタン35%、プロパン65%)
製品 : エチレン 1,000千トン
プロピレン 215千トン
HDPE 500千トン
EVA / LDPE 250千トン
PP
ANM 200千トン(Ineos 技術)
MMA 250千トン(Lucite 技術)
Carbon fiber
Ethylene vinyl alcohol
Polyvinyl acetate、Polyvinyl alcohol、Polyvinyl butyral
Polyacrylonitrile
Sodium cyanide
PE pipe and film
しかし、同社は2008年6月にエチレン、PE、PP計画を取り止めた。
2008/6/23 サウジ Sipchem がエチレン、PE、PP計画取り止め
そして、2009年5月に同社はSABICとの相互協力の覚書を締結、3期計画の大半をSABICに譲った。
SABICの計画:投資額 32億ドル MMA 250千トン 三菱レイヨンとのJV構想 PMMA 30千トン 三菱レイヨンとのJV構想 アクリロニトリル 200千トン 旭化成がJV交渉 ポリアクリロニトリル 50千トン ポリアセタール 50千トン カーボンファイバー 3千トン 青酸ソーダ 40千トン
Sipchemの計画:投資額 8.1億ドルポリ酢酸ビニル 125千トン エチレン酢ビ 200千トン 2009/5/11 サウジのSABICとSipchem、新プロジェクトで相互協力の覚書
今回の酢酸エチル計画は第3期計画の追加。
なお、同社はエチレン酢ビの生産のため、ExxonMobil の高圧法LDPE技術を導入、本事業を韓国のHanwha Chemical とのJV(Sipchem 75%、Hanwha 25%)とすることで合意したと発表している。
付記 2011/10 第三期の準備が完了した。
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