中国のBYD、チベットのリチウム会社に出資

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中国のリチウム電池、自動車メーカーで、Warren Buffettが10%出資する比亜迪(BYD)は、Tibet Mineral Development Co.から同社の子会社のTibet Xigaze Zhabuye Lithium High-Tech Co. 18%を約30百万ドルで買収する。
Oriental Morning Post 917日に報道した。

BYDはこれにより、リチウム電池の事業を強化する。

Xigazeはチベットの日喀則(シガツェ)市
ZhabuyeXigazeZhongba郡にある扎布耶(ザブイェ)塩湖

Xigaze Zhabuyeはリチウム、ボロン、ポタジウム、金を採掘する鉱山会社で、中国最大、世界3位のZhabuyeリチウム鉱山の20年間の独占採掘権を持っている。

Zhabuye塩湖の炭酸リチウム埋蔵量は240万トンと見られている。

第一期として年産5,000トンを目標に2004年9月に操業を開始したが、資金不足のため、操業を停止している。

Tibet Mineral は、今回の取引はXigaze Zhabuyeに戦略的投資家を引き込むためのものとしている。

Tibet Mineral はほかに、Tibet Jinhao InvestmentにもXigaze Zhabuye4%を売却する。
2社への売却後のTibet Mineral の持株比率は50.72%となる。

Xigaze Zhabuyeでは拡張工事を決めており、先ず、炭酸リチウムを年産8,000トンに引き上げ、拡張工事終了後には、炭酸リチウム 2万トン、酸化リチウム 5,000トン、金属リチウム 500トン、高純度リチウム 200トン、リチウム材 30トン、リチウム化合物 490トンとなるという。

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比亜迪(BYD)は王伝福が1995年にリチウムイオン電池製造販売のために設立した会社である。
社名は
Build Your Dream から付けた。
現在、リチウムイオン電池の製造で世界第3位で、携帯電話用では世界第1位のメーカーである。

同社は2003年、倒産した中小自動車メーカーの西安秦川汽車有限責任公司を2.7億元(約40億円)で買収し、自動車産業に参入した。

BYD自動車部門は小型車を中心に順調に業績を伸ばし、強みである電池との究極のシナジーをめざして電気自動車の開発に乗り出した。2008年12月、世界初のプラグインハイブリッドカー BYD F3DM を発売した。

2008年9月、米国の著名投資家であるWarren Buffettが2億3000万ドルを投じてBYDの約10%の株式を取得した。

Buffett氏は、「新エネルギーは大変重要な分野だ。すでに風力発電には参入しているが、今後はBYDとともにエコカー分野に積極的に打って出たい」としている。

フォルクスワーゲンは2009年5月、BYDとリチウムイオンバッテリーを使用したEVやハイブリッド車の開発で提携すると発表した。

BYDは2010年1月、電気自動車「e6」を年内に米国市場に投入すると発表した。5人乗り、最高時速140kmで、1回の充電で最大330km走れるという。

BYDは2010年3月、金型メーカーのオギハラから、館林工場(車体鋼板金型を製作)を買収した。

 



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