「レアアースため込む日本、中国に輸出制限緩和を要求」

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9月7日の「人民網日本語版」はこのタイトルの記事を掲載した。内容は以下の通り。

「中東には石油があり、中国にはレアアースがある」。
これは鄧小平の1992年の言葉だが、レアアースは石油よりも貴重とされながら、中国はまだレアアースによって相応の富を得ていない。
一方、日本や米国などのレアアース使用大国は、中国からレアアースを安く購入してため込み、戦略的備蓄としている。
ある消息筋によると、日本が海底に貯蔵するレアアースは、少なく見積もっても今後20年分はあるという。

付記 この部分について、コメントをいただいた。
http://memo-no-memo.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-682c.html 

中国がレアアースの輸出制限を決定すると、日本は繰り返し中国に輸出拡大を求めた。

日本側の集中的な圧力に対して、商務部の陳徳銘部長は中日経済ハイレベル対話同対話の開催期間中、「レアアースの輸出制限は経済発展の促進、環境保護、国家の安全といったさまざまな要因を総合的に検討した結果だ。中国はレアアースの輸出を制限するだけでなく、採掘、生産、貿易など一連の流れにも制限をかけており、こうしたやり方はWTO ルールに合致している」と強調した。

中国はレアアース資源が世界で最も豊富な国であり、埋蔵量は世界の約3分の1に達する。現在は生産量が世界の生産量全体の95%を占めている。

1990年代に大規模な採掘・輸出がスタートすると、安価な採掘コスト(環境コストは考慮しない)を背景として、中国の低廉なレアアースが世界市場を席巻し、多くの国はレアアースの採掘を停止してしまった。

参考
レアアースの埋蔵量が世界第二の米国は早くから国内最大のレアアースが埋蔵するMountain Pass鉱山を封鎖、モリブデンの生産も停止し、毎年中国から大量のレアアースを輸入している。
Mountain Pass鉱山は2011年に再開する。

中国のレアアース関連企業はまだ一定の規模に達しておらず、統一的な監督管理システムも未整備で、無秩序な競争や密輸が盛んに行われている。
このため中国は世界一のレアアース大国の地位にありながら、価格決定権をもてないでいた。
1990年から2005年にかけて、輸出量は約10倍増加したが、平均輸出価格は半分に下がった。

中国がレアアースを廉価で、無制限に売り出していた時、日本をはじめとする各国は機に乗じてレアアースを大量に買い込んだ。
日本は中国から安価なレアアース原料を買い入れ、ハイテク製品に加工して売りさばき、日本は相当の経済的利益を得ている。

中国メディアは次のような見方を示した。
30年後には世界最大のレアアース産地である内蒙古自治区包頭市白雲鉱区の白雲鄂博は資源が枯渇する可能性があるが、中国から輸入するレアアースに頼って電子工業を発展させてきた日本はその時、十分なレアアース資源を貯蔵しており、生産国だった中国は現在よりも数百倍高い値段で海外からレアアースを輸入しなくてはならなくなる。

2009/4/22 中国がレアアースの輸出を制限?

2010/8/16 中国、レアアース市場での支配力拡大へ

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日本の国家備蓄制度にはレアアースは含まれていない。
経済産業省は、備蓄対象にする方向で検討している。

2009/6/10 レアメタルの国家備蓄拡充

独立行政法人物質・材料研究機構は2008年1月、「都市鉱山」(アーバン・マイニング)と呼ばれるこれまで国内に蓄積されリサイクルの対象となる金属の量を算定し、わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵する規模になっていることを明らかにした。
リチウムの場合、年間の世界の消費量(当時)が21,100トンに対し、日本の都市鉱山の蓄積量は150,000トンとなっている。

2008/1/15 資源大国 日本

経産省は2009年6月、レアメタルを国内に安定供給するための総合戦略「レアメタル確保戦略」の原案をまとめ、4つの柱を挙げた。

①海外資源確保:鉱山周辺のインフラ整備へのODAの活用
②リサイクル:携帯電話やデジカメなどをリサイクルする仕組みの構築
③代替材料開発:
産学官の連携強化や研究開発拠点の整備など
④備蓄:
「需給動向を踏まえ、積み増し、放出を機動的に取り組むべきだ」


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


 

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「レアアースため込む日本、中国に輸出制限緩和を要求」 変な記事の背景
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