ゼリア新薬工業は9月7日、デンマークの製薬会社Biofac Esbjerg A/S(バイオファックエスビアウ)の85%の株式を32.3百万ユーロで取得する契約を締結したと発表した。
ゼリア新薬は総合健康企業として、Quality of Lifeの向上を実現すべく、医療用医薬品事業とOTC医薬品を中心としたConsumer Healthcare事業の2つを「車の両輪」としている。
2009年度連結売上高 50,745百万円 うち、医療用医薬品 30,516百万円 消化器系 70% その他 30% Consumer Healthcare 20,027百万円 OTC、医薬部外品 71% サプリメント 20% スキンケア化粧品 8% その他 1%
Consumer Healthcare事業では、コンドロイチンを1959年に医薬品として市場に送り出したが、同成分配合の関節痛内服薬市場では約6割を占めるトップブランドに成長し、2009年度売上高は約73億円と順調な伸びを見せている。
TVで石原良純のコマーシャルをやっている。
ゼリア新薬と東京薬科大学薬学部 伊東晃教授との共同研究で、コンドロイチン硫酸が変形性関節症において軟骨細胞だけでなく、滑膜の細胞に対しても軟骨の破壊を抑制する作用があることが明らかになった。
Biofac Esはそのコンドロイチン原料の専業メーカーで、豚の軟骨からコンドロイチンを抽出し、ゼリアに供給するとともに、高品質なコンドロイチン原料をアメリカを始め世界に供給している。
ゼリア新薬では、Biofac Esの子会社化により、高品質なコンドロイチン原料の安定調達を図るとともに、両社のシナジーを高め、新たなコンドロイチン事業に挑戦するとしている。
なお、創業家のP.Rorvig Holding A/S (社長:Peter Rorvig)が引続きBiofac Es株式の15%を保有し、ゼリアと協働して新規取引先の開拓、既存取引先との更なる取引強化に取り組む。
P.Rorvig Holding A/Sの子会社Biofac A/Sは傘下に下記の各社を持っている。
Biofac Esbjerg A/S コンドロチンの製造 Danipharm A/S ミルクオリゴ糖Lactuloseの製造 A/S Orthana Pepsin、Peptones、Mucinsの製造 Biofac A/S Ejby animal glands(動物の分泌腺)ベースの製品の製造 PharmaDan A/S Danipharm A/Sの関連会社でLactuloseベースの医薬品の製造
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ゼリア新薬は2008年10月に基礎化粧品「IONA®」で知られるイオナインターナショナルの全株式を取得、完全子会社化した。
イオナの完全子会社化で、ゼリア新薬のスキンケア製品に新たな基礎化粧品ラインが加わり、本格的な化粧品分野への参入となった。
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ゼリア新薬は2009年8月、スイスのTillotts Pharma AGの全株式を1.36億スイスフラン(約120億円)で取得する契約を締結した。
2004年1月にTillottsの炎症性腸疾患治療剤Asacolの日本国内における独占的開発、製造、販売に関する契約を締結し、2009年に潰瘍性大腸炎治療剤としての製造販売承認を取得した。
2007年1月に協和発酵(現協和発酵キリン)と締結した契約に基づき、製造をゼリアが行い、販売は両ルートで行う。
Asacolは、炎症性腸疾患治療剤の最大のマーケットであるアメリカでは約600億円を売上げ、市場の約半分を獲得し同分野でNo.1 の治療剤で、全世界においても、同分野でトップのシェアを獲得している。
Tillotts社買収により、ゼリアはアメリカ、カナダ、ドイツなど9カ国を除き、ヨーロッパならびに中東などを含む世界53カ国のAsacolの権利を取得した。さらにTillottsが進める東南アジアなどを含めた新規地域への拡大を見込む。
さらに、ゼリアの消化器系分野で開発中もしくは販売中の医療用医薬品やOTC医薬品を、Tillottsを通じてヨーロッパ・中東地域で販売することを検討している。
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ゼリアは2010年度の主要課題として、以下を挙げている。
1.本格的な海外展開の元年
Tillottsの通期寄与により、2010年度の海外売上比率は10%以上に、
更に第7次中計で25%以上を目指す。
(Biofac Esも寄与)
2.医療用医薬品事業
Asacolを医薬品事業の収益の柱へ
3.Consumer Healthcare事業
コンドロイチン売上高100億円への挑戦
ヘパリーゼを第2のナショナルブランドへ
* ヘパリーゼは肝機能改善作用のある2成分を配合した滋養強壮薬(ドリンク剤及び錠剤)
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http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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