韓国国民年金、米コロニアルパイプライン買収へ

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韓国の国民年金(National Pension Services)が米国の送油管会社 Colonial Pipelineの権益23.44%をChevronから買収する交渉を行っている。

Chevronは本年3月に売却の意図を明らかにしているが、8月23日には年内に決着するだろうと述べている。
Colonial Pipelineは世界的な金融危機の影響で経営が悪化している。

同社は交渉相手を明らかにしていないが、韓国紙は韓国国民年金が売却の交渉先であると報じた。
売却額は846百万ドルと伝えられている。

パイプラインはヒューストンからニューヨークまでを結ぶもので、全長5519マイルに達する。
1平均1ガロン(398百万KL)のガソリン、ケロシン、燃料油、ディーゼル油などを12州(+ワシントンDC)に送る。

買収に成功した場合、韓国は米国の中核を担う社会的間接資本の大規模な権益を得る。

韓国の関係者は「大量ののガソリンを送油するパイプラインを買収すれば、安定的な配当と資産価値上昇が期待できる」と語った。

韓国国民年金は総資産が300兆ウォン(約21兆円)と世界4大年金基金に属する。(資産規模の順で、日本、ノルウェー、オランダ、韓国)

韓国では、1988年に国民年金制度が制定され、1999年に国民皆年金になった。制定後20年弱で、加入期間が足りないため、年金支給が少なく、資産が増えている。

このため、資産の運用の多様化のため、海外資産への投資を急速に増やしている。
これまでの投資先は次の通り。(1韓国ウォン = 0.07円)

投資対象 時期 投資規模  
KDX豊洲グランスクエア
(東京・豊洲のオフィスビル)
2009/7 960億ウォン
総額 4600億ウォン
公団が49%、カーライルが51%で買収
(公団は現金で投資、
残りはカーライルの投資金と融資など)
ロンドンHSBCタワー 2009/11  15000億ウォン 銀行大手HSBCの45階建本店ビル
(HSBCは長期リースで使用継続)
HSBCは2007年にスペイン不動産会社に売却、
安値で買い戻している。
ロンドン オフィスビル2棟 2009/11 3500億ウォン  
Aurora Place
(シドニーのオフィスビル)
2010/1 7500億ウォン 44階建て、延べ床面積は4万9000平方メートル
ロンドンGatwick Airportの
運営会社株式 12%
2010/2 1800億ウォン 2009/10にクレディスイスとGEキャピタルのJVが
スペインの大手建設業フェロビアルから買収。
ソニーセンター
(独ベルリンの大型総合
文化センター)
2010/5 8500億ウォン ソニーが欧州地域の本社ビルとして建設、
2008年にモーガンスタンレーなど3社に売却。
パリ近郊 O'Parinor
shopping centre
51%
交渉中 3500億ウォン イル・ド・フランス地域圏にある2階建ての
大型ショッピングモール
合計   40760億ウォン
(2,853億円)
 

 


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