Arkema、中国でPVDF生産

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Arkema 928日、中国の新工場で2011年初めにKynar(R)ブランドのポリフッ化ビニリデン(PVDF)の生産を開始すると発表した。   

2006年にペルフルオロオクタン酸(PFOA)などの過フッ素化界面活性剤は、米国環境保護局(EPA)の監視対象になったが、Arkema では、自社のPVDF製品シリーズで使用されるフッ素系界面活性剤の量を段階的に削減するための代替研究プログラムを開始することを決定し、新しいフッ素系界面活性剤を使用しないFSFプロセスを使用したKynar500® PVDF樹脂を導入した。

新工場は江蘇省常熟市の新材料産業園の同社の敷地内にある。

江蘇省常熟新材料産業園は常熟の北に位置し、長江に隣接、江蘇省の沿江開発戦略の重要な部分となっている。

新規材料産業やファインケミストリー、バイオケミストリー、医薬ケミストリー産業を中心に、
DuPontArkema、ダイキン、Solvay、台湾の華新麗華、上海の三愛富など国内及び国外の有名な企業が投資している。

Arkemaは同産業園でフルオロケミカル、ポリアミド、有機過酸化物及びスラッシュ成形の施設を擁している。

Arkema (Changshu) Fluorochemical1996年に設立された。
フッ化水素酸と
CFC(クロロフルオロカーボン)代替品を生産する最初の外国企業。

工場は20005月にスタート、現在、年産20千トンの無水フッ化水素酸と35千トンのFORANE®22を生産している。

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200711月、ダイキン工業とArkemaは、
香港に、日本を除くアジア・オセアニア地域での空調機器用新冷媒の販売を行う新会社
Daikin Arkema Refrigerants Asiaと、
Arkemaの常熟工場隣接地に、新冷媒の主要構成ガスであるHFC-125の製造・販売を行う新会社Arkema Daikin Advanced Fluorochemicals (Changshu)を設立した。

前者はダイキン60%Arkema40%出資
  新冷媒
(R410AR407CR404A)の販売、冷媒用HCFC-22HFC-134aの販売

後者はダイキン
40%Arkema60%出資
  
HFC-125の製造・販売

JV設立により、HFC-1252010年以降の安定供給を目指すとともに、ダイキンとArkemaの両社の技術を融合することによるコスト競争力の強化を図る。

ダイキンとArkemaは、1990年代後半から中国・常熟でのフッ素樹脂事業やフランス・リヨンでのフッ素ゴム事業において協業を行うなど、緊密な関係を構築している。

両社は20105月、JVのHFC-125の生産開始を発表した。

HFC-125を含む冷媒は、Daikin Arkema Refrigerants Asiaを通じてアジア・オセアニア地域に、またダイキン、Arkemaを通して日本、欧州、米国などグローバルに販売していく。

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Arkema20097月に、子会社のCoatexで特殊アクリルポリマーの生産プラントを建設すると発表した。

投資額は約1500万ユーロ。2011年半ばからアジアにおいても塗料、鉱物加工、建築及び製紙の成長市場をターゲットとしたアクリルポリマーの生産能力を得るとしている。塗料分野の他、製紙、接着剤、鉱物加工、コンクリート、セラミックス、化粧品、水処理、繊維及び皮革など特殊ケミカル用途を軸に多分野での実績を持つ。

Arkemaにとってもアクリル事業とその下流部門事業を統合するグループ戦略の一環と位置づけている。

Arkema(前身はAtofina )はMMAモノマーとポリマーを持つ。
MMAポリマーはRohm & HaasMMAポリマーと統合し、AtoHaas を設立したが、その後、Rohm & Haasが撤退して、Arkema 100%出資のAtoGlas となっている。

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Arkema924日、主に塗料、接着剤市場で使われるエマルジョンポリマー生産のため、ラテックス工場を常熟に建設すると発表した。

30百万ドルを当時、2012年後半のスタートを目指す。

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Arkema200410月のAtofina 改組により、塩ビ、工薬、機能製品を担当する会社として設立された。


1971年にElf Total が両社で共有する化学事業の管理のため、
 
Ato (Aquitaine Total Organico)
 
PCUK (Produits Chimiques Ugine Kuhlmann) を設立した。

1980年にElf 40%/Total 40%/Rhone-Poulenc 20% 出資でChloe Chimieを設立。

1983年にフランス化学業界再編でAtoChloe Chimie及びPCUKの大部分を合体し、Atochemを設立。

1992年にElf Atochem に改称。

1999年のTotalFina Elf の合併(TotalFinaElf、その後 Total に改称)により、2000年に化学事業を統合し、Atofina となる。

200410月、Atofina 改組。

石油化学 Total Petrochemical
Chemical Intermediates Plastics Arkema
肥料 Grande Paroisse
Specialties resins Cray Valley
Sartomer
Adhesives Bostik
Electroplating Atotech
Elastomer Hutchinson




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