BASF、スチレン系ポリマー事業を別会社Styrolutionに移管

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BASF107日、スチレン系ポリマー事業を戦略的に発展させるため、Styrolution社を設立すると発表した。

新会社に分離する事業は、SMPSABS、スチレン・ブタジエン共重合体(SBC)、その他スチレン・ベースの共重合体で、ドイツ(Ludwigshafen, Schwarzheide)、ベルギー(Antwerp)、韓国(蔚山)、インド(Dahej)、メキシコ(Altamira)の製造拠点で行っていたスチレン系ポリマー事業はStyrolutionに移管する。

BASFは韓国の蔚山に、PS 25万トン、EPS 8万トン、ABS 25万トンを持つ。

マーケティングや販売といった活動を展開している米国、イタリア、中国をはじめとする各国にもそれぞれ現地企業を設立する予定。

ただし、世界的に展開しているPS発泡体事業と、発泡体の製造に使用しているLudwigshafenのSM/PS関連設備はBASFに残す。

分社は、201111日に完了する予定で、将来の同事業の売却に備える。

BASFのスチレン系ポリマー事業では、現在約1,460名が働いており、2009年の売上高は、約25億ユーロ。

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BASFは2007年7月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。

利益率が低く、原料の動向に左右されるコモディティからの離脱を狙った。

その後、売却準備を続けてきたが、全くまとまらなかった。

2008/8/20 BASF、スチレン系事業の売却準備 進める

ここにきて状況が変わってきた。投資会社に事業買収の動きが出てきた。

BASFではダウのやり方を真似しようとしている。

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ダウは2010年3月2日、Styron DivisionをBain Capital Partnersに16.3億ドルで売却する契約を締結したと発表した。ポリカーボネートや合成ゴムも含まれる。

売却事業は2009年に35億ドルの売り上げがあり、世界各地に40以上の工場を持ち、従業員は約1900人。

売却対象に含まれる製品は以下の通り。
 PS、ABS、SAN、EPS、
 エマルジョンポリマー
 PC、PCコンパウンド
 合成ゴム
 自動車用プラスチック
   PULSE(エンプラ)、 MAGNUM (ABS)、INSPiRE (機能ポリマー)、
   VELVEX (強化エラストマー)など
 スチレンモノマー

2010/3/3 速報 ダウ、スチレン系事業を売却

ダウは6月17日、投資会社Bain Capital Partnersへの16.3億ドルでのスタイロン事業売却が完了したと発表した。

Styronは合成樹脂・合成ゴム・ラテックスを扱う株式非公開のグローバルな会社となり、ダウは同社に7.5%を出資する。ダウとスタイロンの間には長期の供給契約やサービス契約が結ばれる。   

2010/6/18 ダウ、スチレン系事業売却完了


ダウは2010年10月に
LG Dow Polycarbonate の持分をLG Chem に売却した。



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