BPは10月18日、ベネズエラとベトナムの川上事業をTNK-BPに18億ドルで売却することで合意したと発表した。
10月29日に10億ドル、残りを売却完了時(2011年上半期)に受け取る。
TNK-BPはロシア3位の石油会社で、BPとAAR Consortium (Alfa Group、Access Industries、Renova)の50/50JVである。
BPはこれを通して、売却資産の50%の権益を留保することとなる。
2008/9/9 BP、ロシアの石油JV 経営問題でロシア側に譲歩
対象となる事業は以下の通り。
ベネズエラ:
オリノコ盆地PetroMonagas heavy oil JVの16.67%の持分
Petroperija JVの40%の持分
Boqueron JVの26.67%の持分
いずれも国営石油会社PDVSAが運営、BPの生産量は原油換算日量25千バレル。
ベトナム:
Lan TayとLan Doガス田(BPが運営)の35%の権益
BPの生産量は原油換算日量15千バレル。
付随するパイプラインの32.67%の権益
ガスを使用するPhu My 3 発電所(739MW)を運営するJVの33.3%の持分
売却対象のBPの資産の合計埋蔵量は原油換算270百万バレルとなる。
なお、ベトナムのガス田の権益の残りは、インドの国営Oil and Natural Gas Corp(ONGC)が45%、PetroVietnamが20%を保有しており、インドのONGCはBPのベトナム権益買収で交渉していることを明らかにしていた。
売却は2011年末までに300億ドルを売却するとした7月発表の計画の一環。
同社は既に以下の売却を行ってきた。
2010/7/22 BP、北米とエジプトの石油資産をアパッチに売却 70億ドル 2010/8/5 BP、コロンビアの石油関連資産を売却 19億ドル 2010/9/2 BP、マレーシアのエチレン、ポリエチレンJV持分をペトロナスに売却 363百万ドル
BPはパキスタンの権益の売却も検討している。
BPは中国海洋石油有限公司(CNOOC)との間で、アルゼンチン最大の原油輸出企業でチリ及びボリビアに石油・ガス資産を持つPan American EnergyのBP持ち株(60%)の大半をCNOOCに売却する方向で交渉を進めていると伝えられている。この価値は 90億ドル程度とされている。
Pan American Energyの残り40%はBridasが所有する。
Bridasはアルゼンチンのカルロス・ブルゲロン氏傘下のBridas Energy Holdingsの子会社であったが、2010年3月にCNOOCはBridasの株式50%を31億ドルで購入、現在は、Bridas Energy Holdings 50%/CNOOC 50%となっている。
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