伊藤忠は10月15日、米国のエネルギー・電力・建設関連複合企業 MDU Resources Group Inc.の子会社で石油天然ガス開発会社のFidelity Exploration & Production Company との間で、米国ワイオミング州Niobraraエリア約88,000エーカーの石油ガス鉱区権益の25%を取得し、シェールオイル開発事業に参画する契約を締結したと発表した。
米国のシェールオイル事業に参画する最初の日本企業となる。
シェールオイルは非在来型資源の一種で、石油や天然ガスを生成する根源岩(有機物に富む堆積岩)であるシェールおよびシェール中に挟在するシルト岩や炭酸塩岩等に集積している原油。
シェールガスと同様の開発技術(水平坑井掘削や水圧破砕等)を用いて原油を採取する。
Fidelityは、米国ノースダコタ州のBakkenエリアにおいてシェールオイル事業の操業主体として成功を収めている。
2011年より掘削及び生産を開始する予定で、伊藤忠が拠出する総開発費用は約390百万米ドルとなる見込み。
米国におけるシェールガスおよびシェールオイル
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双日は米国テキサス州にてTightsand gas、シェールガスの開発を加速する。
同社は6月16日、現在日量900万立方フィート(原油換算約1500バレル)のTightsand gasを生産しているテキサス州北東部Carthage onshore gas 鉱区で、これまでのこれまで垂直掘削に加え、水平掘削を開始、生産規模を倍増すると発表した。
水平掘削を行うことで、開発井1本あたりの生産規模を拡大し、生産効率を上げ合理化を図り、合計生産量は日量1500万立方フィート(原油換算約2500バレル)となる。
Tightsand gasは浸透率が低い砂岩に含まれる天然ガス。
Carthage鉱区は、双日が2007年7月に取得した非在来型のTightsand gas開発鉱区で、埋蔵量は900億立方フィート(原油換算約1500万バレル)超が見込まれている。
さらに、同鉱区内の深層部に、広くシェールガス層が存在する事を確認している。
将来的にこのシェールガス層でも水平掘削を行い、ガス生産を日量2000万立方フィート(原油換算約3300バレル)まで倍増させる。
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北米のシェールガス開発では、以下の各社が開発に参加している。
三菱商事 | ブリティッシュ・コロンビア州のCordova堆積盆地のシェールガス 2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画 |
三井物産 | ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアのシェールガス 2010/2/18 三井物産、米国でシェールガス開発生産プロジェクトに参画 |
住友商事 | ①テキサス州Barnett Shale field開発 ②ペンシルベニア州Marcellus Shale field開発 2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画 |
なお、中国勢の北米の非従来型石油/ガス開発については下記を参照
2010/10/18 CNOOC、テキサス州のEagle Ford Shale projectに参加
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丸紅は10月15日、豪州のコールシームガス(CSG=炭層ガス)の開発会社であるEastern Star Gasが、豪州ニューサウスウェールズ州のニューキャッスルで計画している中規模電動LNGプラントの事業化調査を共同で実施することで合意したと発表した。
Eastern Star Gasはニューサウスウェールズ州最大のCSG鉱区を保有しており、生産されるガスをニューキャッスルに建設予定のLNGプラントで液化し、2014年以降に輸出することを計画している。
LNG輸出量は当初年間100万トンからスタートし、将来的には年間400万トンまでの拡張を計画している。
コールシームガス(炭層ガス)は石炭層とその周辺から採掘されるメタンガスで非在来型天然ガスの一種。
丸紅は今回のプロジェクトを初め、今まで事業化されることが無かった中小規模のガス田、及び、CSGを初めとする新しいタイプのガスを利用したLNG事業の検討を今後も積極的に展開し、上流開発からLNG販売までのバリューチェーンを構築し、さらなるLNGの安定調達に貢献していきたいとしている。
目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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