石油天然ガス・金属鉱物資源機構、東シベリアで大規模油田を確認

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独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は10月22日、ロシアのイルクーツク石油と共同で探鉱調査を行っているイルクーツク州北部のセベロ・モグジンスキー(Severo-Mogdinsky) 鉱区で可採埋蔵量が1億1000万バレルと想定される大規模油田の試掘に成功したと発表した。

中東産原油と比べて軽質で、硫黄分の少ない良質の原油が確認された。
現在は鉱区南東部だけが探鉱された段階で、鉱区全体の可採埋蔵量は3億7千万バレルとみる専門家もいる。

JOGMECは探鉱調査の終了後、鉱区で保有する49%の権益を日本の民間企業に譲渡する。
商業生産が実現すれば、2014年末の完工を目標に建設中の太平洋パイプラインを通じて日本などアジア諸国へ輸出する。

ほかに同州内のザパドナ・ヤラクチンスキー(Zapadno-Yaraktinsky)鉱区でガス田、ポリシェチルスキー (Bolshetirsky)鉱区で油田とガス田が確認された。


イルクーツク石油は2000年11月にイルクーツク州のいくつかの石油・ガス業者が統合して設立された地場の石油会社で、同州を基盤として、石油・天然ガスの探鉱・開発・生産事業を行っている。
イルクーツク州で最初に原油が生産されたマルコフスコエ(
Markovskoe)鉱区鉱床他11の鉱区を保有している。

JOGMECとイルクーツク石油(INK)は2007年10月に合弁会社INK-Sever(機構49%INK 51%)を設立、INKがJOGMECとの探鉱調査を前提に入札で取得したセべロ・モグジンスキー鉱区の鉱業権ライセンスの譲渡を受けた
(探鉱から開発生産までの複合ライセンスで有効期間は25年間)

2009年5月、両社は新たにボリシェチルスキー鉱区ザパドナ・ヤラクチンスキー鉱区で地質構造調査事業を行うこととし、合弁会社INK-Zapad(機構49%INK 51%を設立、INKとオイルトレーダーのProjects & Technologiesの合弁会社のINK-NefteGazGeologia が保有する両鉱区の鉱業権ライセンスの譲渡を受けた。

両鉱区は、イルクーツク州の州都のイルクーツク市の北約700キロ、セべロ・モグジンスキー鉱区の南約300キロに位置している。

この探鉱調査事業は、新・国家エネルギー戦略(2006年5月)で提唱されている日本のエネルギー供給源の多様化、調達力の強化に貢献するとともに、2003年1月の日露首脳会談における共同声明及び同時に採択された日露行動計画、2007年6月に日露首脳間で提唱された「極東・東シベリア地域での日露間協力強化に関するイニシアチブ」で謳っている「エネルギー安全保障のために極東・東シベリア地域における日露民間企業の協力を促進する」方針に沿うもの。

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JOGMECの河野博文理事長は10月23日、共同記者会見で、「建設中の東シベリア・太平洋石油パイプラインが完成すれば、東シベリアは日本にとって魅力的な供給源になる」と述べた。

イルクーツク石油のブイノフ会長は、来年以降、約3億ドルを投じてさらに探鉱調査を共同で行い、試掘に成功した油田から日本への出荷開始は4~5年後になるとの見通しを明らかにした。
また、
JOGMECなどと協力してイルクーツク州に天然ガスの加工施設設置を検討していることを明らかにした。「日本の先端技術を導入したい」と強調、JOGMECが開発中の天然ガスの液体燃料化技術の実用化を挙げた。

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太平洋パイプラインのうち、Taishet から極東アムール州のSkovorodino までは完成している。

Skovorodinoから中国の大慶を結ぶ約千キロの石油パイプラインがこのたび完成、9月27日に、胡錦濤国家主席と訪中しているロシアのメドベージェフ大統領が出席して完工式が行われた。年内にもロシアから中国への原油供給が開始される。

大慶から既存のパイプラインで大連、北京につながる。


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