Rio Tinto と BHP Billiton は10月18日、 鉄鉱石統合の断念を発表した。
契約調印後、各国の独禁法当局に認可の申請をしていたが、認可を得るのが難しい状況となったため、断念する。
契約では、どちらかが取り止めた場合は、違約金275.5 百万米ドルを支払うこととなっているが、今回はこの問題は発生しない。
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2007年にBHP Billiton がRio Tinto に対して買収の提案を行い、2008年11月にBHP Billiton が買収を諦めたが、買収の主な目的は西豪州の鉄鉱石であったと言われる。
2008/11/27 BHP Billiton、Rio Tinto 買収を断念
Rio Tinto は2009年2月12日、中国国有アルミ大手、中国アルミ業公司(Chinalco)から現金で195億ドルの出資を受けると発表したが、6月5日、中国アルミの出資取り止めを発表した。違約金として195百万米ドルを支払った。
中国勢の豪州進出が相次ぎ、これに不安を感じる反対派と中国との関係強化を図る賛成派が互いを攻撃し、政治問題化した。
2009/6/6 中国アルミのRio Tinto への出資取り止め
Rio Tinto と BHP Billitonは2009年6月5日、両社の西豪州の鉄鉱石資産を包含する製造JVの設立の基本契約に調印、同年12月5日に本契約に調印した。
Rio Tintoにとり、中国アルミの出資取り止めと、これに伴う資金不足対策の2つのうちの1つ。(もう一つは株主割当増資)
両社50/50出資のJVは、両社の現在及び将来の西豪州の鉄鉱石資産及び負債を引継ぐ。
BHP Billiton の資産の比率は45%であるため、50/50JVにするために、BHP Billiton はRio Tinto に58億米ドルを支払う。
当初は製品の15%までをJVが直接販売する構想であったが、10月に取り止めた。
JVは製造JVで、鉱石をコストで両社に等量を引き渡し、両社はそれぞれ独自に販売する。
技術とR&D活動もJVにプールされる。
但し、HIsmelt (銑鉄プラント)や二次処理設備、西豪州以外での現在及び将来の事業展開はJVから除外される。
2009/6/6 中国アルミのRio Tinto への出資 取り止め
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公正取引委員会は9月27日付で、両社に対し「独占禁止法に違反する恐れがある」と指摘した。
松山隆英事務総長は10月13日の記者会見で、「鉄鉱石の海上貿易市場で、競争が実質的に制限される恐れがある」と説明、「両社の意見を裏付ける追加資料などを踏まえて最終判断したい」との考えを示した。
両社の事業を統合すれば鉄鉱石の海上貿易市場のシェアは4割となる。
付記
「今回の生産統合によって影響を受ける海上貿易によって供給される鉄鉱石の塊鉱と粉鉱ですが、これらの生産、販売事業について、1つの市場が画定できるだろうということでありまして、その取引分野における競争が実質的に制限されることとなるおそれがあると指摘を行ったということであります。」
両社の事業を統合すれば鉄鉱石の海上貿易市場のシェアは4割となる。
付記
「今回の生産統合によって影響を受ける海上貿易によって供給される鉄鉱石の塊鉱と粉鉱ですが、これらの生産、販売事業について、1つの市場が画定できるだろうということでありまして、その取引分野における競争が実質的に制限されることとなるおそれがあると指摘を行ったということであります。」
Rio Tintoは日本(と韓国)の公取委からの指摘を取締役会で協議していると公表した。
BHP Billiton とRio Tintoは10月14日、ドイツのGerman Federal Cartel Officeから「承認しない方針」を伝えられたと発表した。
独当局の判断は、欧州連合当局の反対を暗示したとみられた。
これに対し、両社は、JVがpro-competitiveであり、鉄鉱石の供給増に貢献すると信じるとしつつ、各国当局の懸念も分かるとしていた。
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公取委は10月18日、事前相談の審査の中止を発表した。
当委員会は、平成22年9月27日に、海上貿易によって供給される鉄鉱石の塊鉱及び粉鉱の生産・販売事業について、本件JVの設立により競争が実質的に制限されることとなるおそれがある旨問題点の指摘を行ったところ、本日、(両社が)本件JVの設立計画を撤回する旨を公表したため、本件事前相談に関する審査を中止することとした。
本件については、当委員会のほか、豪州競争・消費者委員会、欧州委員会、ドイツ連邦カルテル庁、及び韓国公正取引委員会も審査を行っており、当委員会は、これら競争当局との間で情報交換を行いつつ本件事前相談に関する審査を進めてきたところである。
【参考】本件事前相談の経緯
平成22年1月20日 事前相談の申出
平成22年6月16日 第1次審査開始
平成22年7月16日 第2次審査開始
平成22年9月27日 問題点の指摘
目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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