三菱ガス化学は10月27日、南京市にあるメチルアミン誘導品の子会社「菱天(南京)精細化工有限公司:LING TIAN (NANJING) FINE CHEMICAL」の保有株式の50%分をベルギーの大手メチルアミンのメーカー Tamincoに譲渡し共同経営していくことで合意したと発表した。
三菱ガス化学は、日本における唯一のメチルアミンメーカーで、新潟工場と南京の菱天でメチルアミン及びその誘導品を製造しており、日本、中国及びアジアを中心とする各国の市場に販売展開している。
Tamincoは三菱ガス化学とと並ぶ世界のメチルアミン市場における最大手企業。
成長著しい中国市場で今後の市場競争に対抗していくには、独自技術と経験を持つ世界トップクラスのメーカーである Tamincoと提携した方が得策と判断した。
菱天(南京)精細化工の現在の出資は、
三菱ガス化学 80.1%、菱陽商事(三菱ガス化学の関連会社)5%、
伊藤忠ケミカルフロンティア 10%、伊藤忠商事 4.9%だが、
今回、Tamincoに4社がそれぞれ50%ずつ株式を譲渡する。
2012年完工を目指して新プラントを建設する。
現在の製品は、ジメチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドだが、Taminco技術で、ジメチルアミノ・エタノール、モノメチル・ジ・エタノールアミン、モノメチル・アミノエタノールの3製品を新たに追加する。
社名も「特按菱天(南京) 精細化工有限公司」と変更する予定。
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三菱ガス化学は2005年10月、南京化学工業園区内でのメタノール誘導品事業化計画を決定し、菱天(南京)精細化工を設立した。
同社は、メタノール事業をコア事業の一つとして位置づけ、サウジアラビア、ベネズエラ、ブルネイ、中国重慶(その後、取り止め)でメタノールプラントの増設・新設計画を進めており、あわせて中国で誘導品事業を展開することで、メタノール事業の一層強化・拡大を図った。
まず、ジメチルアミン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドを生産、第二期計画としてトリメチロールプロパンの生産も検討、その後も順次メタノール誘導品を展開するとしていた。
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Tamincoはベルギーに本拠を置くアルキルアミンとその誘導品のメーカーで、名前も "The AMINe COmpany" から採っている。
2003年10月 投資会社AlpInvestがメイン株主となって、ベルギーの製薬会社UCBから分社化した。
2004年12月 Air Productsの欧州のメチルアミン事業を買収(ただし、英国のBillingham工場は閉鎖)。
2006年10月 Air Productsの米国メチルアミン事業、全世界のアルキルアミン事業を買収
2007年6月 中国江蘇省宜興市のAkzo Nobelの塩化コリン製造JVのマジョリティシェアを買収
2007年7月、CVC Capital Partners がAlpInvestから買収した。経営陣が25%を出資している。
製造拠点は以下の7箇所にある。
ベルギー: | Ghent | |
ドイツ: | Leuna | |
米国: | St Gabriel, Louisiana:元 Air Products | |
Pace, Florida:元 Air Products | ||
ブラジル: | Camaçari:元 Air Products | |
中国: | 江蘇省宜興:元Akzo Nobel Chemicals (Yixing) 塩化コリンを製造 | |
上海市奉賢区:Taminco Choline Chloride Co. 同上 |
*Choline chloride(塩化コリン)はトリメチルアミンから製造する。
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