9月中間決算の発表が始まった。
各社とも、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」を適用し、セグメント区分を見直した。
「マネジメント・アプローチ」と呼ばれる方法で、企業が経営者の意思決定や業績評価に使用する情報に基づいてセグメント情報を開示することとなった。
必ずしも製品区分別ではないため、従来よりも企業間の比較が難しくなる。
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信越化学
前年同期比で増益となったが、年度予想でも以前の利益水準を大きく下回る。
塩ビ、シリコン半導体の損益が依然低迷している。
単位:百万円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比 億円
09/9中 10/9中 差異 10/3 塩ビ・化成品 100 93 -7 196 シリコーン 99 175 76 249 機能性化学品 71 60 -11 139 半導体シリコン 100 210 109 226 電子・機能材料 133 180 47 307 その他 32 42 9 68 調整 -6 2 7 -13 合計 529 761 232 1,172
塩ビ・化成品 従来の(塩ビ系)から信越ポリマーを除外、
(その他有機・無機)のソーダ、メタノール、クロロメタン機能性化学品 (その他有機・無機)から上記3品目と信越ポリマーを除外 電子・機能材料 (電子材料)から半導体シリコンを除外(→独立)
(機能材料その他)から技術・プラント輸出、その他を除外その他 信越ポリマーの樹脂加工製品と、技術・プラント輸出等
半導体シリコンについては値上げを行い、利益は倍増した。
しかし、以前の水準からは大きく下回る。
塩ビについてはシンテックと欧州は高稼働が続いている。
しかし、シンテックの損益をみると、大幅に減益となった2009年中間決算と余り変わらない。
理由(推定)については 2010/5/3 注目企業の決算-1(信越化学)
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JSR
前年同期に比較すると、需要は大きく回復し、業績は改善した。
同社では、未だ回復の途上であると認識し、さらなる業績の向上を目指し総力を結集し取り組むとしている。
単位:百万円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比 億円
09/9中 10/9中 差異 エラストマー -47 64 111 合成樹脂 -6 15 21 多角化事業 86 122 36 合計 33 201 168
従来、区分掲記していたエマルジョンは、エラストマーに含める。
ブタジエンモノマー等の化成品は、多角化事業からエラストマー事業に変更。
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東ソー
前年同期比で増益となったが、クロルアルカリ(塩ビ+ウレタン材料)は依然、大きな赤字となっており、年度予想でも以前の水準から下回る。
単位:百万円(配当:円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比 億円
09/9中 10/9中 差異 石油化学 26 28 2 クロルアルカリ -64 -56 8 機能商品 58 106 48 エンジニアリング -6 10 16 その他 11 12 1 合計 25 101 76
クロルアルカリは従来は塩ビ系が中心であったが、今回からはウレタン原料が加わった。
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