Celanese は11月9日、中国で石炭からエタノールを製造する工場を建設すると発表した。
約7億ドルを投じて、年産40万トンの工場を2つ建設する計画で、立地は交渉中。認可後30ヶ月で生産を開始する。
同社では、Coal-to-Ethanol は既存のコーンなどの醗酵法に比較し、低コストであるとしている。
(需要が増えれば、それぞれの工場の能力の倍増も可能としている。)
Celanese は南京産業パークで自社のAOプラス法を使用し2系列合計120万トンの酢酸を生産している。
酢酸第一期60万トンは2007年にスタート、第二期60万トンが2009年に完成、合計能力は120万トンとなっている。
2007/2/22 セラニーズの中国での活動なお、BPとSinopecの合弁のBP YPC Acetyls も南京で酢酸を製造している。
同社はBPのCativa法を使用するが、これもCOによるメタノールのカルボニル化による。
Celanese はこの石炭原料の酢酸プラントを建設後、石炭ベースのエタノールに賭けた。
Coal-to-ethanol プロセスは酢酸製造技術に依拠している。
この技術は石炭、天然ガス、石油コークスを原料として使用できる。
この技術では産業用と燃料用のエタノールを生産できるが、同社では産業用(ペイント、コーティング、インキ、医薬などの原料)を考えている。
中国ではエタノールを産業用に年間およそ300万トン消費している。市場は年に8~10%の伸びで、5年後には更に150万トンが必要となる。
なお、同社はこの技術を燃料用エタノール生産に使用することも考えている。
中国では中国科学院大連化学物理研究所(DICP-CAS)と、神華集団が資金を出した国立研究所 NICE(National Institute of Clean-And-Low-Carbon Energy)が合成ガス からのエタノール製造を研究している。
石炭を原料にする場合、先ず石炭ガス化で合成ガスを製造、触媒を使って合成ガスからエタノールを作り、最後にエタノールを精製する。
この場合、80万トンのエタノール製造には260万トンの石炭が必要となる。
Celaneseはまた、2012年後半にテキサス州 Clear Lakeで、天然ガスを原料に年産4万トンのエタノールを自消又は外販用に生産することを計画している。
コーンなどの食糧を原料にするバイオエタノールには批判が強く、この計画を支持する声が多い。
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