中国の消費者物価指数アップ

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11月15日付けの中国網は、中国のあるネットフォーラムの「今年の中国を漢字一字で表すと何という字か?」というアンケートで、トップがであったと報じた。

は「高くなる」という意味で、あるユーザーがこの字を選んだ理由は以下の通り。

「今年は全ての物が値上がりした。飛行機に乗れば燃料チャージは値上がりするし、車を運転すればガソリン代も高くなった。ニンニク、大豆、生姜なども値上がり。しかしおかしなことに給料は上がらない。そのため物価が上がって何も買えなくなってしまった」

2007年にもこの字が選ばれたが、その時はガソリン値上がりが大問題となっていた。
今年は、これに加え、ニンニクや大豆、生姜、リンゴなどの農産品も高くなった。

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中国の国家統計局は11月11日、今年10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で4.4%上昇し、過去25カ月間で最大の伸び率を示したと発表した。2008年9月の4.6%以来、約2年ぶりの高い伸びとなった。

今年1月から10月までの間のCPIは前年同期比で3%増だった。
政府は物価上昇率の年間目標値を3%に設定しているが、4カ月連続でこれを上回り、インフレ圧力が鮮明になった。
中国政府は既に、インフレ率の年間目標達成が難しくなったことを認めている。

10月の4.4%のうち、食品価格は10.1%、非食品価格は1.6%とそれぞれ上昇した。中国のCPI算定では、食料品が対象商品の3分の1を占めている。
食料品価格は、6月は5.7%増、7月6.8%増、8月は7.5%増、9月に8%増だった。

商務部によると、11月上旬、全国36の主要都市で18種類の野菜の平均卸売価格が昨年より62.4%、年初より11.3%上昇した。

商務部市場運行司では、野菜価格高騰の原因について、次のように説明した。

1. 異常気象の影響
春に気温が低く、北部地域の野菜の生産量や品質、市場に出回る時期に影響が出た。雨季には、南部地域と北部地域の一部が豪雨や洪水などに見舞われ、野菜の成長、収穫及び輸送に困難が出た。
2. コストの増加
今年に入ってから、農業用ディーゼルオイル、農業用フィルム、農薬などの価格が上昇し、労働コストも上昇し、流通業の従業員の給与は2割増となった。
3. 野菜の需要増
国民の食品消費における野菜の割合が絶えず上昇し、2009年の野菜消費量は2001年より24%増加し、6億200万トンに達した。
4. 価格の吊り上げ要素
2009年上半期以降、ニンニクやしょうがなどの価格が吊り上げられ、11月上旬のニンニクの価格は前年同期比95.8%上昇、しょうがは89.5%上昇した。
5. 農産品の国際価格上昇
大口農産品の国際価格が全面的に上昇、これがある程度、中国にも影響を及ぼしている。

国家統計局マクロ経済分析チームは初期的な分析で、今回の物価上昇の主な原因としては次の5つを挙げている。

(1)輸入品の値上がり
(2)一部産品の需給不均衡
(3)コストの上昇
   主要原材料、労務費、環境保護・省エネなど
(4)構造調整
   工業製品価格(比較的速い上昇)と農産物の価格差は日増しに拡大していたが、
   需要増が農産物の価格上昇による格差解消を促した。
(5)流動性の過剰
   外貨準備高が大量に増加し、ベースマネーの拡大と流動性過剰が生じ、物価の上昇を促した。

中国政府は食品価格の上昇抑制に向けて今後数週間に価格統制や投機の取り締まりなど一連の対策を導入する計画。

国家発展改革委員会(NRDC)と地方政府が一連の措置を検討しており、価格統制、消費者への補助金、買い占めや価格吊り上げの取り締まりに加え、地方行政のトップが一部食品の価格に責任を持つ制度などが選択肢に挙がっている。
また、とうもろこしや綿への投機は厳重に罰する方針という。

ある関係筋は「過度に急速な食品の値上がりをはじめ、物価上昇は中国が現在直面している大きな経済問題だ」と述べ、検討されている政策は物価上昇の勢いを抑えることを目的とし、複数組み合わせて導入されると指摘した。

付記

中国国務院は11月19日、高騰する物価の抑制に向け、農産物の増産や流通コストの低減など16項目からなる緊急対策を発表した。
  
http://www.gov.cn/zwgk/2010-11/20/content_1749484.htm

方針には農産物の生産、供給の安定化、生産コストの低減、一時的な補助金などを含む。

食料を含む生活必需品に対して、政府が必要に応じ価格統制を実施する方針を盛り込んだ。
地方政府や各省庁は農産物の生産を高め、供給を確保し、異常な需要をチェックし、違法値上げを罰するよう指示した。

野菜生産地への財政支援などで食料の増産を促すほか、政府が備蓄している食料の放出を急ぐ。
12月1日から農産物を積んだトラックの高速道路料金を免除するなど、流通コストの引き下げを図る。

中国は先月、2年10カ月ぶりに利上げを実施、本格的な金融引き締め局面に入っているが、インフレ圧力は和らいでいない。

中国は人民元の上昇を抑えるため、元売りドル買いの為替介入を続け、市場に大量の人民元を放出してきた。

中国の中央銀行である中国人民銀行はG20サミットを控えた6月19日、「人民元相場の弾力性を強化する」との声明を発表、 2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した。
毎日発表する基準値に対し、±0.5%の変動を認めるもの。

しかし、Big Mac指数では現在のレートは48%の元安となっているが、11月11日の終値6.6257元が最高で、これは6月18日比で2.94%のアップに過ぎない。(11日に一時 6.6173人民元の過去最高を記録したが、これは3.06%のアップ)

政府が介入を自粛し、人民元の上昇を容認することがインフレ抑制にもつながるが、胡錦濤国家主席は11月13日、APEC首脳会議に合わせて横浜市で開催されたCEOサミットで演説し、人民元問題について「穏やかに人民元為替レートメカニズム改革を推進する」と表明した。

人民元の急上昇が、輸出産業に大きな打撃を与え、失業による社会不安定を招くことを恐れてのもの。

付記

中国人民銀行(中央銀行)は11月19日、預金準備率を0.5%引き上げると発表した。
預金準備率引き上げの発表は11月10日の0.5%に続き、今年5度目。11月29日から適用され、大手行の預金準備率は過去最高の18.5%となる。

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そんななかで、広州日報は広州市で10年値上がりしていないものを挙げている。
1)路線バス:ガソリン代が1リットル1元以下(現在6.8元)だった14年前から2元のまま
2)公園:80%が無料化
3)新聞:10年前と同じ1元のまま
4)食品:袋入りの醤油や料理酒、普通の塩は10年前と同じ1袋11.2元
5)宝くじ:2元で500万元(但し税引後では大都市だとちょっとした3LDKくらいしか買えない)
6)電子製品:パソコンやデジカメ、携帯電話などの電子製品はここ10年で大幅に値下がり
7)電話代とインターネット代:ほぼ半額に
8)車:一般家庭に普及


目次、項目別目次
    
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

  各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。


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