中国海洋石油(CNOOC)の子会社の中海石油化学(China BlueChem)は11月14日、海南省東方市で新しいメタノール工場の試運転を開始した。
Davy メタノール合成法を使用し、投資額 10億人民元、天然ガスを原料にし、能力は年産80万トン。
2008年11月に建設を開始した。
原料の天然ガスはCNOOCの南シナ海のLedong ガス田から供給を受ける。
CNOOCは2009年9月に楽東(Ledong) 22-1ガス田の生産を開始した。近隣のLedong 15-1ガス田と共同開発しており、これも既に生産を開始している。両ガス田からの合計生産量は1億5千万立方フィート/日(LNG換算約100万トン/年)に達する計画。
CNOOCは2009年に、ガス田から同社のエネルギー・化学基地である東方市までのパイプラインが完成した。
パイプラインは陸上の68kmと海底の105km。
国家発展改革委員会(NDRC)は天然ガスの有効利用のため2007年8月30日以降、天然ガスを原料とするメタノール生産を禁止したが、既に天然ガス供給契約を締結している場合は除外されており、本計画はそれに該当する。
また、NDRCは2006年7月の通達で、石炭を原料とするメタノール又はDMTでは能力100万トン未満のものを禁止したが、天然ガス原料についてはこれは適用されない。
CNOOCは海南島にもう一つのメタノール工場を持っている。
CNOOCと香港のラミネート会社KingBoard Chemical との60/40の合弁会社CNOOC KingBoard が2006年第3四半期に東方市に年産60万トンのメタノールの商業生産を開始した。
ルルギ技術を採用、CNOOCの東方市近辺のガス田からの天然ガスを原料としている。
第2工場の完成で、CNOOCの東方市でのメタノール能力は140万トンになる。
ーーー
中海石油化学は中国最大級の肥料会社で、海南島東方市に2系列のプラントを有しており、アンモニア 75万トン、尿素 132万トン、複合肥料 5万トンを生産している。
同社は東方市に生分解性プラスチック製造のためのポリプロピレンカーボネート(PPC) 年産3千トンプラントを持っている。
2007/8/20 中国のCNOOC子会社が生分解性プラスチック製造
同社は2006年3月に、内蒙古の天野化工(Tianye Chemical)の株式の90%を買収し、CNOOC Tianye とした。
同社は天然ガスベースのアンモニア 30万トン、尿素52万トンとメタノール20万トンのプラントを有している。
CNOOC Tianyeはまた、年産6万トンのPOM と石炭ベースのアンモニア(35万トン)・尿素(60万トン)プラントを建設している。
アンモニア・尿素は華東理工大学が開発した粉状石炭ガス化技術を使用する。
POMについては 2010/5/25 雲天化集団、重慶でPOM増設、年産6万トンに
中海石油化学の事業は以下の通り。(単位:千トン)
立地 | 製品 | 能力 | 建設中 | |
海南島 | メタノール | 600 | CNOOC KingBoard | |
800 | 今回完成 | |||
アンモニア | 750 | |||
尿素 | 1,320 | |||
複合肥料 | 50 | |||
PPC | 3 | |||
内蒙古 | アンモニア | 300 | 350 | CNOOC Tianye |
尿素 | 520 | 600 | ||
メタノール | 200 | |||
POM | 60 |
目次、項目別目次
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。
各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
コメントする