アラブ首長国連邦のアブダビから原油を直接インド洋に輸送するAbu Dhabi Crude Oil Pipelineが完成した。
12月に試運転を開始、世界の原油輸出の1/5が毎日通過するHormuz Straitをバイパスして原油を輸送する。
アブダビ政府系ファンドのInternational Petroleum Investment Company (IPIC)が2008年から建設を進めてきたもので、アブダビ南西のHabshan(Abu Dhabiの陸上原油の半分以上を集める拠点)からUAE東部のFujairah港まで370kmを結び、UAEの原油生産量の約7割に相当する日量150万バレルのMurban 原油を輸送する。
48インチのパイプライン、Fujairahのメインターミナル、海上の積込設備、その他からなる。
IPICではFujairahでの製油所も検討している。
パイプラインはオアシス都市Al Ainの西を通る370kmで、 カタールからUAEに天然ガス輸送するDolphin海底パイプラインの長さを超える。
投資額は120億ディルハム(32.7億ドル)。
パイプラインの建設では、ILF Consulting Engineers がプロジェクトマネジャーとなり、コントラクターに中国石油工程建設公司(China Petroleum Engineering and Construction Corp.)が選ばれた。
パイプ(合計225千トン)は住友商事、ドイツのSalzgitter Mannesmann International 、インドのJindal Group の3社に分割発注された。
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サウジ原油の一部はペルシャ湾以外から出荷されるが、UAEやオマーン以外の湾岸諸国の原油は全て、ホルムズ湾を通って輸出されている。
ホルムズ海峡は最も狭い場所で幅33キロで、日本向けだけで年間1千隻以上のタンカーが通過する。
イランは、核疑惑で米国から攻撃された場合、ホルムズ湾を封鎖すると何度も言明している。
UAEや他の湾岸諸国は、原油輸出の通過を確保するため、ホルムズ湾をバイパスすることを検討してきた。.
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