BASF とSINOPECは12月17日、BASF-YPCの設立10周年記念式典の前夜に、第二次増強の共同検討の覚書を締結した。
C3とC4のvalue chain を増強するもので、16万トンのアクリル酸新プラント、新しいブチルアクリレートプラントや、2-propyl-heptanol、スチレンモノマー、非イオン性界面活性剤の増強などを含む。
現在建設中の高吸水性樹脂(SAP)には今回増設のアクリル酸が供給される。
また、ワールドクラスの過酸化水素法POも計画に含まれる。
HPPOはダウとBASFが共同開発したもので、アントワープの両社のJVが第1号。
ダウはSiam Cement Group とのJVでタイにプラントを建設している。
投資額としてはおよそ10億米ドルとみているが、最終的な投資範囲は詳細FSの後に決定する。
同社の計画は以下の通り。(単位:千トン)
当初 | 第一次増強 | 第二次増強 | |||
エチレン | 600 | →740 | |||
C4 Comlex | Butadiene | ー | ○(100~120) | ||
2-propylheptanol | ○ | 増設 | |||
Isobutene | ○ 80 | ||||
Polyisobutene | ○ 50 | ||||
EO | EO | 250 | +80 & EO purification | ||
EG | 300 | ||||
EO Derivatives |
Butyl glycol ether | ー | ○ | ||
Non-ionic surfactants | ○ 60 | 増設 | |||
Amines complex |
Ethanolamines Ethyleneamines Dimethylethanolamine |
ー | ○ | ||
DMA3 (dimethylaminoethylacrylate) | ー | ○ | |||
LDPE | 400 | ||||
Acrylics value chain |
アクリル酸 | 160 | +160 | ||
アクリル酸エステル | 215 | ||||
Super-absorbent polymer (SAP) | ー | ○ 60 | |||
butyl acrylate | ー | ー | ○ | ||
C4オキソアルコール | 250 | 増設 | |||
蟻酸 | 50 | ||||
プロピオン酸 | 30 | 増設 | |||
メチルアミン | 30 | ||||
ジメチルホルムアミド(DMF) | 40 | ||||
PO(HPPO) | ー | ー | ○ | ||
旧 Yangzi-BASF Styrenics |
Ethylbenzene | 130 | BASF-YPCに統合 | 増設 | |
Styrene monomer | 120 | 増設 | |||
Polystyrene | 200 | ||||
EPS | 52 |
BASF-YPCはBASF 50%、Sinopec 50%のJVで、2000年12月8日に設立された。
両社は1996年3月にIPS(Integrated Petrochemical Site) 計画の覚書を締結、1997年12月に計画がまとまり、2000年6月に共同FS報告が承認された。
工場は江蘇省南京市のSINOPEC揚子石化(エチレン 650千トン)に隣接している。
2001年9月に起工式が行われ、2005年6月に商業生産を開始した。
なお、同社のエチレン設備は、インドネシアのツバン計画で用意したものを使用した。
2006/4/27 インドネシアのエチレン計画への日本企業の参加-2
同社は2008年3月に第一次増強計画を申請、2009年7月に政府の承認を得て、10月に建設を開始した。
現在建設中で、2011年にスタートの予定。
これに合わせ、BASFとSINOPEC揚子石化のJVのYnagzi-BASF Styrenics(1997年設立)を吸収した。
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