LANXESS、DSM Elastomersを買収

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Lanxess とRoyal DSM はDSM Elastomers のLANXESSへの売却で合意した。1214日に発表した。
売却額は
310百万ユーロ。DSM Elastomers はKeltanブランドのEPDMを生産している。

DSMはLife SciencesとMaterials Sciences 及び中国を中心とするEmerging Business Areaを今後のCore businessにしている。

DSM Elastomers部門は、世界シェアの約16%を占めるEPDM(商標名 Keltan)とEPDMベースの熱可塑性エラストマー(商標Sarlink)から構成されていたが、いずれもこれから外れていた。

DSMは9月15日、DSM Elastomers部門の熱可塑性エラストマー事業(商標Sarlink)を米国のコンパウンド会社のTeknor Apex に売却すると発表した。EPDMについても売却の意向を示していた。

2010/9/17  DSM、熱可塑性エラストマー部門を売却、EPDMの売却交渉も

DSMはEPDMをSittard-Geleen(オランダ)とTriunfo(ブラジル)で生産している。
能力は前者が
16万トン、後者が4万トンで、合計20万トン。
2010年の売上高は380百万ユーロの見込み。従業員は420人。

DSMは1989年に出光とのJVの出光DSMを設立し、千葉でEPDM 年産4万トンの生産をしていたが、2003年にオランダに8万トンのプラントを建設、2004年9月末に千葉での生産を停止し、JVを解散した。
(1999年からはDSMが販売を担当し、合弁会社はDSMの製造委託会社となっていた。)

DSMはまた2004年に、老朽化した米国ルイジアナ州Addisの工場を停止している。

Bayerから分離独立したLanxessもTechnical Rubber Products部門でBayerから引き継いだBuna EPブランドのEPDMを販売している。
プラントはドイツのMarlと米国のOrangeで、
合計能力は12万トン。
今回の買収で全世界能力は
32万トンになる。

2009/7/6 合成ゴム100年

DSM Elastomersの買収で、LanxessACE技術を入手し、技術ベースを強化する。

DSM Elastomersは2008年に、NOVA Chemicalsから全世界独占実施権を得たシングルサイト触媒を使用したEPDMの生産を開始した。同社はこれをACE(Advanced Catalysis Elastomers)と呼んでいる。
エネルギー消費を節約、コストダウンとなるほか、適用分野の拡大が可能となる。

LanxessのTechnical Rubber Products部門は2009年の売上高が24億ユーロで、EPDMのほか、Polychloroprene rubber (CR)、 Hydrogenated nitrile rubber (HNBR)、Ethylene vinyl acetate rubbers (EVM)、Nitrile Rubber (NBR)などを持つ。
工場は
EPDM製造のMarl、Orangeのほか、ドイツのLeverkusenとDormagen、フランスのLa Wantzenauにある。

このほか、2007年にブラジルのBraskem とUnipar などからブラジルの合成ゴムメーカー Petroflex の株式の70%を購入、2008年に残りの株式についてTOBを行い、100%を買収した。

Lanxessは2008年2月、シンガポールに年産10万トンのブチルゴム生産拠点を新設すると発表した。2010年稼動の予定であった。
しかしその後、需要の減少を受け、2014年稼動に再延期すると発表している。
この期間を利用し、製造技術の更なる改良を行う。

同社の合成ゴムの総生産能力は1,404千トンとなっている。(日本ゼオン ファクトブック2010



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