Rio Tintoは12月3日、中国アルミ業公司(Chinalco)との間で中国で鉱物探査を行うための合弁会社を設立する覚書を締結した。
来年上期に事業を開始する。先ず、3~5箇所の大規模地域で探査を行い、その後、探査地域を増やす。
Chinalcoが51%、Rio Tintoが49%を出資する。
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Chinalco と米国のAlcoa は2008年2月、英国Rio Tintoの株式の12%を141億ドルで取得した。
Rio Tinto 全体への出資比率は9%となる。
2008/2/8 中国アルミとアルコア、Rio Tinto に出資
2008年8月に豪州の財務相は中国アルミがRio Tinto の英国本社の株を14.99%(全体の11%)まで買収することを承認している。
Rio Tinto は2009年2月、Chinalcoから現金で195億ドルの出資を受けると発表した。
Rio は2007年のアルキャン買収に伴い抱えた389億ドルの負債を軽減することを狙った。
2009/2/13 中国アルミがRio Tintoに出資、鉱山利権を取得
しかし、Rio Tinto は6月5日、中国アルミの出資取り止めを発表した。
中国勢の豪州進出が相次ぎ、これに不安を感じる反対派と中国との関係強化を図る賛成派が互いを攻撃し、政治問題化した。
資金市場の変動や、Rio Tinto の株主や利害関係者の意見などを背景に、Rio Tinto とChinalco は契約の変更の交渉を行った。
かなりの進展を見たが、最終的に契約変更に至らず、この結果、Rio Tinto 取締役会は株主に対する本契約の推奨を取り消し、契約を解消することとした。
これに対し、中国側は猛反発した。
2009/6/6 中国アルミのRio Tinto への出資 取り止め
7月5日にRio Tinto の上海事務所の社員4名が上海の国家安全局に拘束され、本年3月に重刑に処された。
2010/3/31 中国、Rio Tinto 社員に重刑
出資問題で両社の関係は悪化したかとみられたが、その後も協力関係は続いている。
Rio Tinto は2009年10月、モンゴル政府との間でモンゴル南部のOyu Tolgoi 銅・金鉱山開発のための投資契約を締結したが、Rioはこの計画をすすめるため、Chinalco と交渉を行っていると伝えられた。〔未定〕
2009/11/28 Rio Tinto、モンゴルの鉱山開発で中国アルミと提携か?
Rio TintoとChinalcoは本年7月、ギニアの Simandou鉄鉱石開発でJVを設立する契約を締結した。
2010/3/26 Rio Tinto とChinalco、ギニアの鉄鉱石開発でJV
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Rio Tinto は同じ12月3日、中国中鋼集団(Sinosteel) との間の西豪州Pilbara地区のChannar鉱山JVを延長し、生産する鉄鉱石を50百万トン追加すると発表した。
Channar鉱山JVはRio Tintoの完全子会社Hamersley Ironが60%、Sinosteelが40%出資するJV。
Channar鉱山は西オーストラリア州のPilbara地域の都市Tom Priceの南、Paraburdoo鉄鉱山の近隣にある。
鉄鉱石は近隣のParaburdoo鉱山の処理施設へ運ばれる。
当初のJV契約は1987年に締結された。中国による豪州の鉱業への最初の大投資で、両国政府の強い支持を受けた。
JVの期間中に200百万トンのハイグレードの鉄鉱石を産出するもの。
1990年1月1日に生産を開始、初年度に350万トンを産出、1998年に目標の10百万トンに達した。2005年までに131百万トンを産出している。Rioが運営を担当し、産出した全量はSinosteel を通して中国市場で販売される。
現在の年10百万トンのペースでは2012年の第1四半期に当初の契約の200百万トンに到達する。
今回、JVの延長により、Sinosteel は更に50百万トンを引き取ることとなる。
今回の契約に合わせ、両社は戦略的協力枠組み契約を締結した。
Channar鉱山及びその周辺で、新たな鉄鉱山での協力又は共同開発を目指す。
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別途、Rio Tintoは、中国のダイヤモンドの卸売業者の周大福(Chow Tai Fook)との間で戦略的パートナー契約を締結した。
中国で既存のブライダル市場とは別に、ファッション宝石市場を開発する。
Rioはダイヤモンドの大メーカーで、周大福は中国のダイヤモンドのデザイン、製造、販売で力を持っている。
Rioでは、中国のミドルクラスの急拡大とファッションで他人と差を付けようとする行動が需要拡大を進めると見ている。
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各記事の「その後」については、上記目次から入るバックナンバーに付記します。
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