日ロ、LNG事業協力で正式調印

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資源エネルギー庁とロシア国営ガス会社Gazpromは1月17日、ロシア東部での協力推進に関する合意文書に調印したと発表した。

合意は、ウラジオストク周辺における天然ガス利用と、ウラジオストク周辺からアジア太平洋諸国の需要家に向けた天然ガス及びガス化学製品の輸送・販売に関する共同FSの実施を内容とするもの。

具体的には、
・ウラジオストク周辺における
LNG製造プラント建設に関するPre-FEED初期設計前段階)、
CNG(圧縮天然ガス)生産・海上輸送、
・ガス化学製品の生産
に関する共同FSの実施が予定されており、これらは2011年末までに完了する予定。

LNGの主成分であるメタンは圧力をかけても常温で液体にはならないため、温度をマイナス162℃の極低温にすることにより、液化して体積を1/600にする。

CNG(圧縮天然ガス)は天然ガスを気体のまま高い圧力で圧縮したもの。天然ガスは、化石燃料の中でCO2の排気量が最も少なく、また煤塵、SO×の排出もほとんどなく、NO×低減も行いやすいクリーンなエネルギー。
これを燃料に使う天然ガス自動車は世界で約120万台が走行している。

双方はまた、2005年に締結した協力に関する枠組み合意を5年間延長した

Gazpromは、世界最大のガス生産規模を誇るロシアのガス会社で、天然ガスの年間生産量は4,615億m3、年間輸出量は2,205億m3(いずれも2009年)。

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Gazpromと資源エネルギー庁は、2005年11月21日に、5年間の協力に関する枠組み合意を締結した。
この合意は、双方のガス分野における協力の主な方向性を定めたもので、協力の実施機関として、共同調整委員会が設置されている。

2009年5月にPutin首相が訪日した際、Gazpromと資源エネルギー庁、及びFSを担当する伊藤忠商事、石油資源開発(JAPEX)が、ウラジオストク周辺におけるLNG/CNG製造プラント建設に関するプレFSに関するMOUに署名した。

プレFSの結果は、2010年7月にサンクト・ペテルブルグでの第5回共同調整委員会で検討された。
今回の合意書は、プレFSの結果を受けて、従来のMOUを発展させて締結されたもので、実際には2010年7月に大筋合意していたが、11月のメドベージェフ大統領の国後島訪問の余波もあり、11月中旬のガスプロム社長の訪日が中止となるなど、正式調印が後ズレしていた。

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アジア太平洋諸国へのガス供給増加を目指しているGazpromは現在、サハリン南端のPrigorodnoyeにあるロシア唯一のLNG施設(サハリンエナジー所有)を通じて日本にサハリン2の天然ガスを供給している。

サハリン2プロジェクト

事業主体 Shell 55%→27.5%-1株
Gazprom 0%→50%+1株
・三井物産 25%
→12.5%
・三菱商事 20%
→10%
投 資 額 200億ドル
開発鉱区 ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ
推定可採
埋蔵量
①原油 10億バレル
②天然ガス 4,080億立方メートル

<石油>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬後、新設港湾よりタンカーで日本等へ輸出
<ガス>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬、同地で液化後、LNGをタンカーで輸出

Gazpromは、LNG輸出事業の一環として、サハリンからハバロフスクを経由しウラジオストクに延びるガス輸送用パイプラインの敷設を進めている。プリゴロドノエに次ぐ国内2番目のLNGプラントをウラジオストクに建設し、LNGを輸出する計画である。

付記 2011年9月8日、プーチン首相が出席し、稼働式典が行われた。
    全長約1800kmで、当初の輸送能力は年60億立方メートル。


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