イタリアで2011年1月1日から、生分解性の袋を除き、レジ袋(single-use plastic bag)が禁止された。
全国で一般の使い捨てのレジ袋が禁止され、生分解性の袋や、布袋、紙袋への切り替えを図る。
禁止は1週間前に環境大臣が確認したが、次のような多くの問題点が指摘されている。
・新ルールが明確でない
・違反に対する罰則が法定されておらず、地方政府に任せられている
・小売業界で準備ができていない
・生分解性の袋が高い(通常の袋の4~5倍)
・生分解性の袋の品質不安(レジで詰める段階で破れる、雨に濡れると破れる?)
・欧州レベルで禁止されていないのに先行する理由なし
準備ができていないというのは理由にならない。
法律は2006年12月に制定されており、当初は2010年1月1日から施行の予定であったが、業界に準備期間が必要として1年間の猶予が与えられていたもの。
生分解性の袋に対する不安不満のため、使い捨てでない袋に向かうのではないかと見られている。
イタリアは欧州の使い捨てレジ袋の約1/5 (年間 200~240億枚、1人当たり330枚)を使用している。
イタリアは早くも1989年にプラスチック袋に対する税金を導入した。
捨てられた袋が海岸や海を汚し、イルカが袋を飲み込んで死ぬ恐れがあるというのが理由となった。
イタリア全体の8,000の市町村のうち、トリノやベニスなど200の市町村がすでにレジ袋を禁止している。
トリノでは従わない業者には25~250ユーロの罰金を課している。
スーパーチェーンのCoopでは2005年に自発的に生分解性袋を導入、2009年には使い捨てのレジ袋を完全にやめている。
なお1月1日以降、販売店では在庫を使い切るまでレジ袋の使用を認められるが、これまでの有償ではなく、無償で配らねばならない。
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環境問題や資源問題からレジ袋規制の動きは世界中で見られる。
日本では東京都杉並区が2002年、レジ袋1枚につき5円の税金を課す「レジ袋税(すぎなみ環境目的税)条例」を制定した。
(区の方針転換などもあり2008年6月に条例は廃止され、代わりに2008年4月に「杉並区レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」を制定した。)
2008/7/11 公取委、「レジ袋一律5円」 一転して「問題なし」に
2008/7/16 中国、「レジ袋規制」を強化
2009/9/28 アイルランド、レジ袋税を2倍に
レジ袋を課税による規制ではなく、販売や使用そのものを禁止している国も多い。
バングラデシュでは捨てられたPE袋が下水を詰まらせるとして、首都ダッカでのPE袋の販売と使用の完全禁止を行った。
インドのムンバイ(ボンベイ) も、薄いプラスチック袋を禁止した。下水を詰まらせ、雨季に町中が水浸しになったのが理由。
台湾では使い捨ての袋や食品容器を提供する業者に対して罰金が課せられる。
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