旭化成は1月25日、韓国におけるアクリロニトリルの増設を発表した。
韓国の100%子会社の東西石油化学の蔚山工場に同社の最新技術プロパン法を採用して245千トンの大型プラントを建設するもので、5月に着工し、2013年1月に商業運転を開始する。
蔚山工場には既存プロセスの230千トンプラントと70千トンのプロパン法の実証プラント(既存プラントを改造)の2プラント合計300千トンの能力があるが、今回の新プラントが完成すると、合計能力は545千トンととなる。
同社のアクリロニトリルの工場は以下の通りで、すべてが完成すると、能力合計は1,195千トンとなり、世界最大のINEOS Nitrilesに迫る。
千トン | 製法 | 備考 | ||
水島 | 300 | 既存法 | ||
川崎 | 150 | 既存法 | ||
東西石油化学 韓国・蔚山 |
① | (60) | 既存法 | ③完成で停止 |
② | 70 | プロパン法 | 2007/1 改造してプロパン法実証プラントに | |
③ | 230 | 既存法 | 2003/3 200千トン完成、その後増強 | |
④ | 245 | プロパン法 | 今回 | |
計 | (545) | |||
PTT Asahi Chemical タイ・マプタプット |
200 | プロパン法 | 2011/央 稼働予定 (旭化成 48.5%、PTT 48.5%、丸紅 3.0%) | |
合計 | 1,195 |
2007/2/7 旭化成、世界初のプロパン法アクリロニトリル工場稼動
旭化成は1998年に、米国ソルーシア社(モンサントのファイバー・化学品部門を中心に分離独立)の250千トンAN建設計画に参画し、年間50千トンの引取権を取得したが、現在は引取をしていない。
なお、旭化成は2012年頃に中東でアクリロニトリルを生産する方針を明らかにしている。
2007/4/10 旭化成、中東でのアクリロニトリル事業化を検討
東西石油化学(Tongsuh Petrochemical )は1969年に、米国スケーリー石油 50%、韓国忠州肥料 50%のJVとして設立され、アクリロニトリルの製造販売を行った。
その後、1970~75年に韓一合繊が忠州肥料の持分を、旭化成がスケーリー石油の持分を買収し、両社のJVとしたが、1998年に旭化成の100%子会社とした。
アクリロニトリルのほか、青化ソーダ(40千トン)、アクリルアマイド(10千トン)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸・2Na・2H2O)(3千トン)を生産している。
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世界最大のINEOS Nitrilesの状況は以下の通り。
INEOS Nitrilesは旧 Innoveneのアクリロニトリル部門で、2005年にINEOSがBPからInnoveneを買収した。
1957年にSohio 法アクリロニトリルが開発されたが、Sohio(Standard Oil of Ohio)はその後、BPとなった。
能力 (千トン) |
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米国 | Lima, OH | 190 | 1960年スタート |
Green Lake, TX | 544 | 1981年スタートで2008年に450千トンから544千トンに増強 | |
ドイツ | Koeln | 320 | 元はErdole Chemie 2001年に Innovene が買収により50%から100%とした。 |
英国 | Seal Sands, Teesside | 230 | IneosがBASFの工場を買収 |
合計 | 1,284 |
2008/3/20 INEOS、BASFのアクリロニトリル工場買収
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