SABICは1月19日、2010年の決算速報を発表した。
それによると、営業損益は37,830百万SAR(サウジリヤル)、純損益は 21,590百万SARで、粗利益は前年18,804百万SARの2倍、純損益は同 9,074百万SARの2.4倍と好調であった。
なお、純損益 21,590百万SARは米ドル換算で約 5,760百万ドルになる。
同社では純損益の増加を、ほとんどの石油化学、合成樹脂製品の値上がりと生産量、販売量の伸びによるとしている。
2010年の生産量は前年比12%増、販売数量は9%増となった。
SABICのCEOのMohamed al-Madyは記者会見で、「生産量は今後も増大する。我々は金融危機から立ち直った。2010年は成長の始まりであり、2011年、2012年に成長を続ける」と述べた。
SABICが35%出資するSaudi Kayan Petrochemicals が下半期に商業生産を開始する。
年産14万トンのアセトンは既に完成し、SABICは1月17日に初出荷した。PC(26万トン)は2月に試運転を開始する。
CEOはまた、戦略に合致する投資機会を引き続き検討するとし、ラテンアメリカを例に挙げた。
営業損益を四半期別にみると次の通り。
原油価格高騰(グラフでは国産ナフサ基準価格で表示)とその結果としての石化製品の国際市況の高騰に応じて増益となり、2008年3Qに最高益を出した。
同社の原料のエタン価格は変わらないため、売価のアップはそのまま利益増となる。
その後の原油価格暴落と金融危機による需要の減で2009年1Qには営業損益はわずか381百万SARにまで落ち込んだ。
2009年2Qからは原油価格が再び上昇、それに応じて利益も増加した。
2010年の損益が原油価格上昇以上に増えているのは生産、販売数量の増による。
(2008年4Q-09年1Qは逆に販売数量の激減による。)
2010年4Qの国産ナフサ価格 45,000円/klは仮価格。
(12月輸入価格はMETI発表のエチレン用輸入ナフサ通関実績を使用)
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