台湾の合成樹脂メーカーのTSRCは12月24日、米国の合成ゴムメーカーのDexco Polymers を168百万ドルで買収すると発表した。
米国と台湾の当局の承認手続きなどを経て、2011年の第2四半期に手続きが完了するとみている。
Dexco Polymers は1988年にDowとExxonmobil Chemical が50/50で設立した。(社名はDow-ExxonMobil Companyから)
DowのLouisiana州Plaquemineのコンプレックスで、SIS (styrene-isoprene-styrene) とSBS (styrene-butadiene-styrene) を生産している。
これらの製品は、アスファルト改質剤や接着剤・シーラントの原料として使用される。
TSRCでは、この買収は同社の技術をアップグレードし、需要家に幅広い製品を供給し、欧米の需要家にも製品を供給するのに役立つとしている。
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TSRC(当初名はTaiwan Synthetic Rubber Co.)は1973年設立の台湾最大の合成ゴムメーカーで、台湾の大社に以下のプラントを持つ。
現能力 SBR 100千トン 1977年 BFGoodrich技術 BR 54千トン 1982年 宇部興産技術 当初40千トン TPE 54千トン 1988年 Phillips Petroleumのテキサス工場のプラントを購入、高雄に移転
当初20千トンTPR 8千トン
同社はまた、中国、タイ、インドに進出している。
詳細は 2010/5/13 LANXESS とTSRC、中国でNBR製造
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Dowの合成ゴム事業は旧東ドイツのBuna Sow Leuna Olefinverbund を買収したもので、Schkopau に工場をもち、SBR、ポリブタジエンゴム (PBR)、Lithium Lo Cis ポリブタジエンゴム (Li-PBR)、nickel Ziegler-Natta 触媒 Hi Cis ポリブタジエンゴム (Ni-PBR)、エマルジョンSBR (ESBR)、 溶液重合SBR(SSBR)などを製造していた。
スチレン系事業のスタイロンをBain Capital Partnersに売却した際にこれを含めた。
2009/5/21 ダウ、合成ゴム事業の売却を検討
2010/6/18 ダウ、スチレン系事業売却完了
Dexco Polymersについてはスタイロンに含めていなかった。
今回の売却にあたり、Dow のCEOのAndrew N. Liverisは、「この売却は事業を変質させるという戦略の実行の例であり、今後も、市場志向で技術をベースとした統合会社に向かって進み、安定した収益の伸びを確保する」としている。
なお、Dowは独自のINSITE 技術によるメタロセンEPDM (Nordel)を持っている。
1996年4月にDuPont と50/50JVの DuPont Dow Elastomers に移管したが、2005年1月にINSITE 技術によるポリオレフィンエラストマー(Engage)、塩素化ポリエチレン(Tyrin)などとともにJVから引き取った。
Dowはこれを今後も維持する。
同社は2010年11月にEPDMの需要の伸びに対応するため、Plaquemine, La 工場のデボトルネッキングにより11千トンの増設を行った。
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