米 Merckの決算、Schering-Plough の買収で119億ドルの特別損失計上

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Merckは2009年11月3日にSchering-Plough の買収を完了した。

2009/3/11 Merck、米Schering-Plough を買収

2月3日に発表した2010年の決算では、Schering-Plough の売上高をフルに反映し、前年比で1.68倍となった。

しかし、税引後損益は前年の12,899百万ドルから、861百万ドルに激減した。

2009年には以下の特別利益107億ドルを含む。

Schering-Ploughの合併により、以前からのMerck/Schering-Plough Cholesterol Partnership の100%がMerckのものとなった。 このため、従来の持分をfair valueで評価替えした。→75億ドルの益
また、Merial Limited の50% をSanofi-aventisに40億ドルで売却→32億ドルの益

他に、無形固定資産の一時償却、退職金、停止設備の加速償却など、48億ドルの費用を落とした。

税引前で59億ドル、税引後では55億ドルの利益増となっており、これらの特別処理がなければ、74億ドルの利益となり、2008年とほぼ同じ水準であった。 

2010年では、主として合併に伴い、特別損失として11,896百万ドルを計上した。

無形固定資産一括処理、在庫評価損など  6,566百万ドル
In-process R&D 償却  2,441百万ドル
リストラ費用(退職金、停止設備の一括償却など) 1,986百万ドル
統合費用 396百万ドル
その他 507百万ドル
(合計) (11,896百万ドル)
税引き後 9,854百万ドル

この処理がない場合は税引き後損益は10,715百万ドルとなり、前年の実質ベースを45%上回ることとなる。

 

1兆円に近い額を一気に損に落として次期以降に備えられるのは、合併による収益力の急増があってのことである。


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