ヴイテック、2011年9月末に解散

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三菱化学と東亜合成は2月21日、両社のJV(三菱化学 85.1%、東亜合成 14.9%)のヴイテックを9月末日を目標に解散すると発表した。

9月に解散決議を行い、12月に精算を完了する予定。

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2009年4月に三菱化学が年内にもPSとPVC事業から撤退すると報じられた。

2009/4/13 三菱化学、PSとPVC事業から撤退

三菱化学は2009年5月、ヴイテックが全製造設備を2011年3月末までには停止することを決定したと発表した。
但し、
川崎の設備については、ヴイテックとしては停止するものの、その後については東亞合成が方向性を検討するとした。

四日市工場のペースト塩ビ 20千トンは2010年9月末で生産を停止した。(販売は2011年3月末で停止)

東亞合成は2010年5月、東亞合成が2011年3月にヴイテックから川崎工場のPVC設備を引取り、カネカから年間70~100千トンの製造受託を行うと発表した。東亞合成自体は塩ビ樹脂事業から撤退する。

恐らく東亞合成としては従業員を他の事業に配置転換できないため、この形で雇用を継続するのが目的と思われる。
カネカとしては関東地区の需要家への供給のため、高砂の生産を落として、製造委託するものと思われる。

  カ性ソ-ダ VCM PVC  
水島工場(三菱化学内) 180千トン  400千トン   20113月末 停止
    汎用 (110千トン) 2008年 停止済
四日市工場(三菱化学内)     汎用 80千トン 20113月末 停止
ペースト 20千トン 20109月末 先行停止
川崎工場(東亞合成内)     汎用 120千トン 20113月 東亜合成が引取
 カネカから生産受託

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三菱化学と東亜合成は1996年に塩ビ事業で業務提携を行なった。

三菱化学は1996年末にS&Bにより水島で100千トンプラントを建設した。
東亜合成はセントラル硝子、東燃化学とのJV・川崎有機で年産100千トン設備を稼働させているほか、徳島工場に同20千トン設備を持っていたが、徳島の老朽化した20千トン設備を廃棄し、川崎に三菱化学の技術で100千トン設備を新設した。(2008年増強し 120千トン)
 (その後、旧川崎有機のPVCプラントは停止した。)

その後の業績悪化を受け、両社は事業統合を決め、200041日、統合会社がスタートした。

会社名   ヴイテック㈱
資本金   60億円 
 出資比率 三菱化学 60%、東亞合成 40%
事業   電解製品(水島)の製造、VCM(水島)及びPVCの製造・販売及び研究開発
  電解製品の販売は三菱化学100%のダイアケミカルに委託
能力   電解(水島) 135千トン(苛性ソーダ97%換算) 
    VCM(水島) 300千トン 
  *セントラル化学はVCM(132千トン)生産を継続、ヴイテックに供給→その後停止
    PVC 合計 390千トン(川崎 180、四日市 110、水島 100

同社は設立以来、大幅赤字が続き、その結果、2005年3月、ヴイテックは再編を行い、出資比率を三菱化学 85.1%、東亜合成 14.9%に変更した。

2009年12月末の累積損失は235億円となっている。(資本金60億円)

日本のPVCの能力は2009年末で2,156千トンあるが、2010年の内需は1,031千トン、輸出は660千トン、出荷合計1,690千トンとなっており、能力は内需の2倍以上ある。

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PVC業界の推移は以下の通り。


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 http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/zenpan-1.htmにあります。

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