エジプトーイスラエル・天然ガスパイプラインが停止

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エジプト国営テレビによると、2月5日、同国北部のシナイ半島のElArishで、エジプトからヨルダンとイスラエルに天然ガスを輸出するパイプライン基地で爆発があった。
テロ行為が原因としているが、事故との情報もある。

エジプト当局はヨルダン向けとイスラエル向けのガス供給を停止した。

イスラム系過激派組織はイスラエル向けの供給に反対しており、インターネット上でパイプラインへの攻撃を呼びかけていた。

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エジプトのシナイ半島のEl-Arishにはヨルダン向けとイスラエル向けのパイプライン基地がある。

ヨルダン向けはシナイ半島を南下し、アカバ湾の北岸のTabaへ、Tabaから海底パイプでAqabaへ、そこからAmmanに通じる。
ヨルダンは電力需要の8割でエジプト産ガスを燃料としている。

イスラエル向けはEl-ArishとイスラエルのAshkelonを海底パイプラインで結ぶ。
エジプトはイスラエルの天然ガスの1/3を供給している。

なお、エジプトでは1月28日以降、SuMed石油パイプラインを守るためエジプト軍が動員されている。

SuMed (Suez-Mediterranean) Pipelineは200マイルで、超大型タンカーはスエズ運河を通れないため、地中海への石油輸送に使用されている。 

原油は2009年では、スエズ運河経由で1日約100万バレル、パイプライン経由で110万バレル(2007年は230万バレル)が送られた。

スエズ運河とSuMedパイプラインが閉鎖された場合、欧州向けタンカーはアフリカ南端の喜望峰を回らなくてはならず、運航距離が1万キロ増加することになる。

(このリスクもあって、北海ブレント原油の価格は高騰している。他方、WTI原油は米国の原油・石油製品の在庫が多いことから上昇が鈍く、北海ブレントと逆転した。)

エジプトのEGPCが50%、Saudi Aramco 15%、UAEIPICが15%、カタールのQGPCが5%、クウェートの3社が5%ずつ計15%を出資するJVのArab Petroleum Pipeline Company/Sumed Companyが運営している。


イスラエル向けのパイプラインを運営する
East Mediterranean Gas Co. (EMG)2000年に設立された。

2007年11月にタイの国営PTT PLC487百万ドルで同社の株式25%Mediterranean Gas Pipeline から買収、現在の株主は以下の通り。

Mediterranean Gas Pipeline  28 %
Merhav Group (Israel) 25  
PTT Public Company Ltd. (Thailand) 25  
EMI-EGI LP 12  
Egyptian General Petroleum /Egyptian Natural Gas 10  

East Mediterranean Gas Co.  株主でもあるEgyptian General PetroleumEgyptian Natural Gas との間で、日量677百万立方フィートを15年間購入する契約を結んでいる。

天然ガスの主な需要家は Israel Electric Corporationで、15年間、日量206百万立方フィート購入の契約を締結している。

イスラエル政府が出資する石油精製会社Oil Refineries Ltd.は昨年12月、East Mediterranean Gasとの間で、同社と同社子会社のCarmel OlefinsGadiv Petrochemical Industries向けの天然ガス購入の契約を締結した。

また、PotashCorpが出資するカリのメーカーのIsrael Chemicals (ICL)、同じくカリのメーカーのDead Sea Works、ガス発電会社のOPC Rotemの各社も購入契約を締結した。

 


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