エステーは2月14日、アース製薬から同社保有のフマキラー株式を取得する契約を締結したと発表した。
取得は3月18日の予定で、取得株式数は 3,457千株、取得価額は 1,410百万円、1株当たり408円。
この結果、両社のフマキラー持株は以下の通りとなる。
異動前 異動 異動後 アース製薬 3,457千株
(10.52%)
2位-3,457千株 - エステー 4,980千株
(15.16%)
1位3,457千株 8,437千株
(25.69%)
1位
2008年1月、殺虫剤最大手のアース製薬が3位のフマキラーの株式を市場で買い進め、フマキラー創業者一族の大下高明氏を超えて、筆頭株主になったことが明らかになった。
アース製薬では、経営統合を申し入れした事実はなく、株式取得はあくまでも「純投資」が目的、としたが、非公式に経営統合を打診したことを認めた。
報道では、その後、アース製薬の大塚達也社長は「フマキラー株の取得を継続する」と強調、今後10年以内に日用品業界で再編が必ず起きるとし、M&Aなどにより主導権を握りたい考えを示した。
フマキラーは2010年5月13日、消臭芳香剤大手のエステーとの資本業務提携を締結したと発表した。実際には買収防衛策とみられた。
フマキラーはエステーを引受先に第三者割当増資(約16億円)を実施、エステーはアース製薬を抜き筆頭株主になった。
(エステーは以前からフマキラー株を4.76%取得しており、増資引受で15.16%となった。)
2008/1/23 アース製薬によるフマキラー株式購入
エステーでは、両社の事業の発展、収益性の強化など、より一層の提携関係の強化を図ることを目的として、フマキラー株式を追加取得するとしている。
今回の売却でアース製薬は事実上、フマキラーの買収を断念したことになる。
アース製薬は以下の通り述べている。
フマキラーについては、同業種で経営環境等が比較的把握しやすいこと、配当利回りが高いこと、株価の割安感などから、効率的な余剰資金の運用として長期保有を目的に投資してきた。
今回、資産の有効活用、財務体質の改善・強化などの方針から、エステーに譲渡提案を行った。
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