中国がレアアース国家計画鉱区を指定

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中国の国土資源部は1月に公告1、2号を出し、レアアースの国家計画鉱区および鉄鉱の国家計画鉱区のリストと範囲を初めて発表した。
これらの措置は中国のレアアース資源や鉄鉱資源の保護と合理的な利用とを強化することがねらい。
財政資金で鉱区の詳細を調査し、政府の計画に沿って採掘を進めるとしている。

当局では、レアアースの採掘は森、土壌、農地を破壊し、廃棄物も環境を害い、現在のやり方を今後も続けることは出来ないとしている。

「鉱産資源法」などの法律・法規に基づき、イオン吸着型鉱床が集中的に分布する江西省コウ州(Ganzhou) に国内初のレアアース国家計画鉱区を設定した。

レアアース国家計画鉱区は▽竜南重レアアース第一計画鉱区▽竜南重レアアース第二計画鉱区▽尋烏軽レアアース計画鉱区▽定南中レアアース計画鉱区▽コウ県(北)中レアアース計画鉱区▽コウ県(中)重レアアース計画鉱区▽コウ県(南)中レアアース計画鉱区▽ 安遠中・重レアアース計画鉱区▽信豊(北)中レアアース計画鉱区▽信豊(南)中・重レアアース計画鉱区▽全南中レアアース計画鉱区、の11カ所からなる。

11鉱区の合計の面積は 2,500km2 レアアース埋蔵量は760千トンとみられている。

また、国内初の鉄鉱国家計画鉱区を、パナジウム、チタニウム、磁鉄などの鉱物資源が集中的に分布する四川省の攀花枝に設定した。

鉄鉱国家計画鉱区は▽攀花枝パナジウム・チタニウム・磁鉄鉱物資源国家計画鉱区▽白馬パナジウム・チタニウム・磁鉄鉱物資源国家計画鉱区、の2カ所で、合計面積は460km2となっている。

付記 2月15日付人民網は以下の報告をしている。

今回指定された江西省カン州レアアース国家計画鉱区のレアアース予想埋蔵量は約76万トン(うち、中・重レアアース類埋蔵量は71万トン)で、2009年の採掘量は3444.95トン、省内のレアアースは全てここで採掘された。
全国の中・重レアアース類の生産量の約70%を占め、世界で最極めて重要な地位にある。

四川省の攀枝花・白馬の両鉱山区のバナジウムチタン磁鉄鉱の予想埋蔵量は136億トン、年産能力は1683万トンと見込まれる。全国鉄鉱資源埋蔵量の15%を占めている。
このうちバナジウムチタン磁鉄鉱は約96億トンと、全国バナジウムチタン磁鉄鉱埋蔵量全体の83%を占める。
バナジウム資源埋蔵量は1861万トン、全国総量の52%。チタン資源埋蔵量は約6億1800万トン、全国チタン鉄鉱資源埋蔵量の95%。
ここにもレアアース国家計画鉱区を設立する計画がある。

中国のレアメタルの主な産地は、
 軽希土類:内蒙古自治区、四川省
 重希土類:江西省、広東省、湖南省、福建省、広西チワン族自治区
となっている。

内蒙古のBaotou Steel Rare Earth High-Tech Co と江西省のJiangxi Copper は国際市場でのレアアースの価格支配力強化のため、軽希土類の統一価格メカニズム設定に動いている。

四川省ではJiangxi Copper が、国家発展改革委員会と四川省国土資源部の決定を受け、四川省の提携企業2社と組んで他の鉱山を取得し、軽希土類を統合することを計画している。

2010/8/16 中国、レアアース市場での支配力拡大へ

中国商務部は2011上期のレアアースの輸出許可枠を前年比で35%削減した。

2009 2010 前年比 2011 前年比
上期  25千トン  22,282トン -11% 14,446トン -35%
下期 25千トン 7,976トン -68%
年間  50,145トン 30,258トン -40%

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