協和発酵キリンは2月21日、英国のスペシャリティファーマのProStrakan Groupの全株式を現金で取得し、100%子会社化する手続きを開始すると発表した。友好的買収で、ProStrakanの取締役会は全会一致で賛成している。
買収総額は約2.92億ポンド(約394億円)で、手元資金で充当する。
ProStrakanは昨年11月に複数の企業が買収に興味を示していることを明らかにしているが、買値はその直前の株価に対し、41%のプレミアム。
2011年6月初旬に英国法の手続きを終え、買収を完了する予定。
協和発酵キリンは昨年、協和発酵ケミカル売却を決め、医療用医薬品事業に集中したが、
「がん、腎、免疫疾患を中心とした領域で、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使して、画期的な新薬を継続的に創出し、開発・販売をグローバルに展開することにより、世界の人々の健康と豊かさに貢献する、日本発のグローバル・スペシャルティファーマとなる」
ことを医薬事業ビジョンとしてきた。
Prostrakanは、米国と欧州でがん関連領域をはじめとする医療用医薬品の開発・販売体制を構築済で、同社の経営資源を獲得することでグローバル戦略を飛躍的に進展させるとしている。
買収の意義は以下の通り。
①米国と欧州における自社販売体制確立
②自社グローバル開発体制の強化
③既存パイプライン製品に関する開発・販売ノウハウの獲得
④重点領域におけるグローバル新薬開発・販売の加速・拡大
ProStrakanは抗がん剤投与に伴う吐き気抑制剤(Xomolix)を持っており、協和キリンが開発中の血液がん治療薬の販売で相乗効果も期待している。
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ProStrakan は1995年にStrakan として設立され、2004年に ProSkelia と合併し、ProStrakanとなった。
2005年にロンドン証券取引所に上場している。
スコットランドのGalashielsに本社を置き、米国と欧州でがん領域をはじめとする医療用医薬品の開発・販売を行う。
開発拠点はGalashielsと米国Bedminster, NJで、自社販売子会社を通じて英、米、仏、独、スペイン、イタリアその他EU諸国で販売している。
2009年の売上高は79百万ポンドで、うち英国が40%、英国以外の欧州が44%、米国が9%、提携による売り上げが7%となっている。
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