米最高裁は3月7日、Bayerが抗生物質のCipro (ciprofloxacin)について競争を阻害するために金を支払った件で、これを独禁法違反とする訴えを却下した連邦控訴審の判断の見直しをしないことを、理由なしに決定、特許訴訟の“pay for delay” 和解を法的に支持した。
Bayerは1997年(主要特許の切れる6か月前)にBarr Laboratories (その後、イスラエルのTeva Pharmaceuticalが買収)との間で和解し、BayerがBarr に 398百万ドルを支払う代わりに、BarrはBayerの特許無効の訴えを撤回し、2003年6月までCiproのgenetic薬を販売を遅らせることで合意した。(このため、“pay for delay” 和解と呼ばれる)
これに対して、米国の三大ドラッグストアのうちの2社、CVS Caremark と Rite-Aid、消費者団体、32の州などが、このような和解は製薬業界で多く行われ、消費者に年間35億ドルの損害を与えているとして、この和解を覆すよう求めた。
このような和解は、コストのかかる特許訴訟を終わらせ、特許を持つ会社にもgeneric薬の会社にもメリットがあるが、特許が切れても、一定の期間、安いgeneric薬の販売を遅らせることとなる。
このためFederal Trade Commission もこのような契約は独禁法に違反し、高い処方薬で米国の消費者、納税者に年間35億ドルの負担をさせているとし、連邦控訴審に意見書を提出している。
Obama大統領はこのような特許和解を禁止する法案を提案している。連邦政府に20年にわたり、88億ドルもの節約になるとしている。
製薬会社はgeneric会社を含め、これに反対している。
しかし、裁判所は同様のケースで何度も、私企業間の契約を違法ではないとしている。
Bayerなどは和解はgeneric薬メーカーとの特許紛争の解決策として正当なものと主張し、Ciproについては、和解によってBarrは全特許が切れる6か月前にgeneric 品を販売できたため、消費者にもメリットありとしている。
CVSとRiteはBayerの特許は有効性に問題ありとしている。Barrは予審段階では勝っており、裁判になった時点で和解した。
これに対し、Bayerは、Cipro特許では連邦控訴裁でのMylanとの裁判で勝利しており、他のすべての裁判で勝っていると反論している。
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