三菱化学と旭化成、水島地区エチレンセンター統合のためのLLP設立

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三菱化学と旭化成は2月23日、水島地区の両社エチレンセンターの統合・一体運営のため、両社共同出資による有限責任事業組合(LLP)を設立すると発表した。

両社折半出資で西日本エチレン有限責任事業組合を設立し、水島地区の両社のエチレンセンター事業(原料ナフサ等の調達、エチレン等基礎石化原料の製造、基礎石化原料・用役等の両社への販売、合理化計画立案遂行等)の一体運営を行う。

4月1日からエチレンセンターの一体運営を開始する。

両社は2009年6月に水島コンビナートでエチレン事業を統合することを検討していることを発表した。

2009/5/19  三菱化学と旭化成、水島でエチレン統合

その後、中国需要の急回復で統合を急ぐ必要性が薄れたこと、3年後をメドに2基のうち1基を停止・廃棄する考えだったが、どちらの設備を止めるかで交渉が難航したことで、一時は破談の危機を迎えたとされる。

設備能力削減については将来の需要をみて統合会社で柔軟に判断するとの方針に転換し、1年遅れで合意にこぎ着け、2010年5月に水島地区エチレンセンターの統合について発表した。

2010/6/2  三菱化学と旭化成、水島地区エチレンセンター統合の共同出資会社の設立

水島地区のエチレン能力は、旭化成、三菱化学ともに50万トン/年(非定期修理年)となっている。

最適化計画は以下の通りで、エチレン需要3割減を前提とした減産体制を取り、更にエチレン需要が縮小すれば、その時点でエチレンを1基に集約する。

 (1) 両社ともエチレンセンター生産設備のダウンサイジング
     エチレン需要3割減を前提とした設備対応(2012年までに実施)
      * 三菱化学はVCM停止で、2011/5定修時にエチレン 50万トン→38万トン
 (2) さらなるエチレン需要の縮小時にはエチレンセンターを1基に集約(需要動向にあわせて実施)
 (3) 設備のインテグレーションまで含めた留分バランスの最適化
 (4) 原料ナフサの調達、C3等不足留分の共同調達によるコストダウン
 (5) 用役、エネルギー関連のバランス最適化
 (6) インフラの相互活用による効率化

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旭化成は同日、100%子会社で、水島地区のエチレンセンターの運営を行っている山陽石油化学を4月1日に吸収合併すると発表した。
三菱化学との水島地区エチレンセンター統合・一体運営への移行を契機に、エチレンセンター運営を効率的に実施するとともに、業務効率化を図るため、行う。

山陽石油化学は1968年7月に水島でエチレン(30万トン)建設のため、旭化成 60%、日本鉱業(その後、ジャパンエナジーとなり、現在はJX日鉱日石エネルギー) 40%で設立された。(山陽石化は2001年4月に旭化成の100%子会社となった。)

当時、三菱化成は水島地区で100%子会社の化成水島が16万トンのエチレンを持っていたが、30万トンエチレンの新設を計画した。

山陽石化と三菱化成は輪番投資を行うこととし、両社の50/50出資のJV、「水島エチレン」「山陽エチレン」を設立、
第一期として1970年に水島エチレン(三菱化成内)が、1972年に山陽エチレン(山陽石化内)が稼動した。

その後、三菱化成と三菱油化の合併による三菱化学誕生にあたり、公取委の意向を受け、株式交換を行い、合弁を解消した。

  「水島エチレン」→三菱化学 100%子会社
           1994/10 三菱化学誕生、水島エチレンを吸収合併

  「山陽エチレン」→山陽石化 100%子会社
           1995/4  山陽石化が山陽エチレンを吸収合併

今回、両エチレンプラントは再度、両社の共同運営となる。

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出光興産と三井化学は2010年4月1日、「千葉地区における生産最適化」の第1ステップとして両社のエチレンの運営統合を発表した。

4月1日付けで両社折半出資で「千葉ケミカル製造有限責任事業組合」(LLP)を設立し、2010年10月1日に両社がエチレン装置(出光 37万トン、三井 55万トン)を譲渡し、LLPの運営を開始した。

このケースもエチレン設備の能力削減は行っていない。

2010/4/3  出光興産と三井化学、千葉のエチレン統合 

 


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